その場合は通常の不動産会社を利用することになり、お得に入居するコツは2つある。ひとつは物件探しの繁忙期(1~3月、9月)を避けること。引っ越し代の相場が変わるからだ。

「進学や就職、転勤に伴って1月から3月は特に相場が上がりやすいです。家族で引っ越しすると、移動距離や物品の量によっては100万円を超えるケースもあります。4月上旬を過ぎると、引っ越し代もぐっと安くなります」
夫の転勤で引っ越すケースなど、繁忙期に重なってしまう場合は、夫だけ先に引っ越し、家族や家具は閑散期に移動したほうが、費用を抑えられる可能性もあるという。
家賃が安い物件の特徴
もうひとつは「家賃がもともと安めの物件」を選ぶこと。初期費用は家賃を基に設定されることが多いので、結果的にお得になるそうだ。次のような物件が狙い目だという。

・日照条件があまり良くない
・最寄り駅からの距離が遠い
・一部が和室(畳)となっている
・人気の設備(シャワートイレなど)がない
・マンションなど集合住宅の1階
・エレベーターがない物件の高層階
・建物の構造(木造、軽量鉄骨、鉄筋鉄骨の順に家賃は高くなる)
ただし、初期費用や家賃の価格交渉をするのはお勧めしないという。
「同じ条件で借りてくれる人がきっといるので、管理会社はそうそう応えないでしょう。応じてもらえたとしても、10万円の家賃が9万8000円になる程度です」

「また、価格交渉を行うと第一印象が悪くなります。入居後にエアコンやインターホンなどの設備に不具合が生じた際に管理会社に相談をしても、印象が悪いとスムーズに対応してもらえない可能性があります」
そして初期費用は「あまりに安く感じる場合は注意すべき」とも、上野さんは言う。