賃貸物件を借りる際に欠かせない「内見」。契約前に物件に赴き、間取りや設備などを確認することだが「住んでみると思っていたのと違った…」という経験をした人もいるだろう。
不動産のコンサルティングを行う「プリンシプル住まい総研」所長の上野典行さんに、内見で失敗しないコツを教えてもらった。選び方のヒントは「部屋以外にもある」という。
通勤時間帯や夜の雰囲気を知ろう
「物件そのものだけでなく、周辺環境を確認しましょう。希望の物件が決まっていたら、内見前に近くに行ってみるのもいいと思います」
よくある失敗例が週末に内見に行き、その場の印象で契約すること。上野さんいわく「土日の昼間は、混雑の具合や騒音などが平日と異なる可能性が高い」という。

できれば、平日の「通勤時間帯」や「夜」の雰囲気を知っておくことが大事とのこと。
「毎日そこで生活するので、通勤・通学時の混雑具合、駅までの道のりなどは重要な判断材料となるでしょう。車やバスで出勤する方は、道路の渋滞状況も見ておくと安心です」

そこで、物件の最寄り駅から物件まで「実際に歩いてみる」といいそう。
「昼間は明るい印象の道でも、夜になると客引きがいたり酔っ払いが歩いていたりするかもしれません。真っ暗な道に『痴漢に注意』という張り紙があったら、歩いて帰るのは不安ですよね。その道を通る可能性が高い時間帯は、事前にチェックしておきましょう」

また、物件情報に書かれている「駅から徒歩○分」にも“落とし穴”が。この表記は「80m=徒歩1分」と定められたもので、坂道や信号などの影響は加味されていないという。
「実際に歩いたり、ルート検索アプリで調べたりして確認することも大切です」周辺環境をチェックしたうえで、内見に臨む際のポイントはどこにあるだろうか。