富山県立山・室堂でクマの目撃相次ぐ、登山客に注意呼びかけ
室堂ターミナル近くまで出没、登山客が計画変更も

富山県の立山・室堂で、クマの目撃情報が相次いでいる。多くの登山客が訪れる人気の登山スポットだけに、県警山岳警備隊は注意を呼びかけている。


25日朝、成獣とみられるクマ1頭が出没し、一時、室堂周辺は騒然となった。立山・室堂ターミナルから約1時間歩いた場所にある室堂山展望台周辺で登山客がクマを目撃。エサを探している様子で、岩をよじ登りながら移動する姿が確認された。

「ご飯を、草を食べていた」と目撃した登山客は話す。「全く気づいていなかった。野生は(見られて)ちょっと嬉しかったけど距離があるからこそで、(近いと)怖いんだろうな」と、安全な距離があったからこそ冷静に観察できたことを語った。
人気観光地の屋上からも肉眼で確認
25日午前9時頃、上市警察署に「成獣のクマ1頭を目撃した」との通報が登山客から入った。県警山岳警備隊がすぐに周辺をパトロールし、注意喚起を行った。
この情報を受け、計画の変更を余儀なくされた登山客もいた。あるグループは「親子、小熊がさっと先に通り過ぎた。近かったら怖かったので、上がる予定は実際にクマを見てしまった以上はやめた」と引き返す決断をした。
別の登山客は「引き返してきました。みくりが池でクマが出た話を聞いて笛など用意してきた、怖くなった」と語り、登山計画を変更した。

さらに昼過ぎには、クマは室堂ターミナルの屋上から肉眼で確認できる位置まで近づいてきた。多くの登山客が屋上からクマの動きを指さしながら興奮気味に見守る場面もあった。
今月14日にもみくりが池で泳ぐ姿を確認
立山町によると、現時点で人身被害などは報告されていないものの、室堂周辺では今月14日にみくりが池で泳ぐ姿が確認されるなど、クマの目撃情報が相次いでいる状況だ。
県警山岳警備隊は、クマに近づいて刺激することや、残飯やゴミを放置しないよう登山客に引き続き注意を呼びかけている。