2月26日から台湾・台北市で行われた世界ジュニアフィギュアスケート選手権。
2連覇がかかっていた大会だけに、ただならぬプレッシャーを抱えていた島田麻央（15）。
それでもその逆境を打ち返し、日本勢初の連覇を達成した。
歴史に名を残した翌日、インタビューに応じてくれた島田は「いつか“日本風のプログラム”を滑ってみたい」と明かした。
うれし涙で終えた23-24シーズン
ジュニアの大会では負けがない島田は、今シーズンも異次元の強さをみせている。
今季もジュニアグランプリファイナルを連覇、ユース五輪でも日本女子で初めての金メダルを獲得。
着々と、日本スケート界の歴史を塗り替えている。
2連覇をかけた世界ジュニアでもショート2位から4回転トゥループ、トリプルアクセルの大技2本の構成でフリーに挑み、4回転トゥループを見事に成功させ、逆転優勝した。
最後のポーズが終わったあとは「ホッとした」という島田。
「点数が出たときには、久しぶりに“シーズンベスト”という言葉を聞いてすごくうれしかった」ようで、キスクラで珍しく涙を見せていた。
今季は国内大会を含み、悔し涙を流してきた島田にとって、ホッと一息できた瞬間だったのかもしれない。
2連覇を受けて島田は「去年は初出場だったので、新鮮な気持ちで臨むことができました。今シーズンは2連覇がかかって、いろいろなことで緊張してしまって。
ショートも2位からだったのですごく緊張したんですけど、フリーで巻き返して優勝することができてうれしいです」と笑顔を見せる。
「今シーズンは昨シーズンより苦しんだシーズンでもあった。その中でこの演技をしてシーズンベストを更新できたことがすごくうれしいです」と重圧から解放された思いを明かす。
さらにキスクラでの涙のことを聞いてみると「今シーズンは悔しいことが多かった。こうやってうれしい試合があまりなかったので、そこは初めてかなと思います」と、人生で初めての“うれし涙”だったと教えてくれた。
歴史的な激闘を終えた翌日、インタビューに応じてくれた島田は、来季にかける思いを語ってくれた。
来シーズンも大技を磨いていく
一夜明けて島田は「たくさんの方からメッセージいただいて、さらに実感が湧いてきて、とてもうれしいです」と世界ジュニアを振り返る。
終わったからこそ言える“連覇”へのプレッシャーについて聞くと、意識したりしなかったりを繰り返していたという。
「自分も“連覇”を意識したくなくても意識しちゃう部分がありました。演技の前は意識しないようにしていて、演技終わった瞬間に連覇のことをまた考え始めました。
フリーにはミスがありましたが、ショートとフリー共に、今できる自分の最高の演技ができたかなと思います」
去年の世界ジュニアでは4回転トゥループを着氷するも、回転不足の判定を受けた。
しかし今年は出来栄え点＋2.31と高得点を叩きだした。
「去年認定されなかった4回転が今年、この世界ジュニアで認定されてすごくうれしいです」
続けて島田は来季を見つめる。
「来シーズンはトリプルアクセルと4回転を安定させるために、普段と違う入り方での練習や、コンビネーションジャンプをもっと安定させるために、トゥループだけじゃなくてループをつけたりする練習をしたいなと思います」
いつかは着物の衣装を着てみたい
来季のプログラムはまだ決まっていないようだが、今後着てみたい衣装があるという。
「いつかは着物の衣装を着てみたい。
いろいろな選手が（着物風の衣装を）着ているのを見て、すごくキレイだなと思って、憧れです。
最近で言うと、渡辺倫果選手を見ていいなと思いました」
そして実戦でも4回転トゥループを入れ、着実に精度を上げている島田に、次に習得したい技につい聞くと、「今は大技2本を安定させていきたい」としつつも、いずれは種類を増やしたいと意欲を見せた。
「順番的に言ったらサルコウですが、自分はトゥ系が得意なので、サルコウかルッツをやってみたいです。（ルッツは）シニアに入るぐらいに挑戦してみたいです」
4月からは中京大中京高校に進学するという島田。どんな進化をしていくか楽しみだ。
世界ジュニアフィギュアスケート選手権2024
3月10日（日）深夜2時50分～3時50分https://www.fujitv.co.jp/sports/skate/worldjr/index.html
