11月17日は「世界早産児デー」。世界の早産における課題や負担に対する意識を高めるため、2008年にヨーロッパNICU家族会などによって制定された。NBSでは、「世界最小の赤ちゃん」として生まれた男の子の成長を取材してきた。10月で5歳になり、家族と一緒に誕生祝いと七五三のお参りをした。体重は増え、話も上手になり活発な子に成長している。
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家族で5歳の誕生会
「いい、いくよ?」
竜佑ちゃん:
「いいよ」
野球が大好きな関野竜佑ちゃん。10月1日で5歳になった。
この記事の画像(18枚)きょうだい:
「おめでとう」
高校で寮生活を送る長男・佑平さんも家に帰り10月28日、一家6人がそろって竜佑ちゃんの誕生日を祝った。
長男・佑平さん(17):
「距離が離れていると、余計成長を感じます。この大きさまでなったことが奇跡なので、すごいなと思います」
これまでの成長を「奇跡だ」と振り返る家族。
それは決して大げさな表現ではない。
出生時は体重258g 身長22㎝
「妊娠高血圧症候群」による緊急帝王切開で、24週と5日で生まれた竜佑ちゃん。
体重はわずか258グラム、身長は22センチ。大人の手のひらに乗るほどの大きさだった。
母の俊子さん(2019年10月):
「小さすぎて産声もなくて、生まれたのかどうか自分で感覚がなくて、無事かなと思うだけで不安でした」
父・康平さん(2019年10月):
「先生たちにお任せで信用して待つしかないと思っていました。そこから先は、本人がこの世の中で生きたいか生きたくないかと思っていました」
命の危険もあったが、県立こども病院の治療とケア、竜佑ちゃん自身の生命力で少しずつ成長。
生まれてから半年後に退院―。
無事、退院できたケースでは、当時、世界最小の男の子だった。
成長の記録
定期健診やリハビリを受けながらもすくすく成長。
■1歳 身長56.1センチ 体重4.4キロ
母・俊子さん:
「こんなに元気に1歳の誕生日を迎えられると思っていなかったので、普通に過ごせているのでそれが一番幸せです」
1歳10カ月で歩けるようになり、2歳ごろからは言葉を覚え始めた。
竜佑ちゃん:
「ママ、ママ」
■2歳 身長65センチ 体重5.6キロ
3歳になると自己主張もー
竜佑ちゃん:
「いやだ、いやだ」
■3歳 身長74センチ 体重6.9キロ
4歳になると外遊びも増えどんどん活発に。
父・康平さん:
「前だったら怖がってやらなかったようなことも、自分から率先してやるようになってきたので」
■4歳 身長82.6センチ 体重8.5キロ
竜佑ちゃん:
「(水鉄砲持ちながら)うつぞ、うつぞ」
そして、10月で5歳。
■5歳 身長89センチ、体重10キロ
家族で七五三参り
28日は家族全員で七五三参り。
3歳の時のお参りではー。
宮司:
「ごめん、怖いよね。そうだよね、お父さんじゃないもんね」
母・俊子さんに抱かれていたが―。
今年(2023年)10月28日は父・康平さんの真似をしながら自分で玉串を奉納した。
母・俊子さん:
「何も教えてないし、やってねなんて言ってなかったんですけど、できてすごかったね」
祈祷を終えたら「おみくじ」。
3歳の時は「小吉」だったがー。
長男・佑平さん:
「何かな~大吉だ」
きょうだい:
「竜ちゃん、見せて」
父・康平さん:
「今回『大吉』だね。だいぶ良くなったって感じ。大吉見せてあげて皆さんに、『大吉』です」
きょうだい「足が速くなった」
たくさん食べて、元気に遊ぶ。
たくましくなっていく竜佑ちゃんにきょうだいはー。
次男・隼佑くん(8):
「(竜ちゃんはどんなことができるようになった?)すぐ泣かない」
長女・彩佑子ちゃん(11):
「足の速さ。運動会で去年は4位だったんだけど、今年は1人抜いて3位になったから速くなったと思う」
将来の夢は「警察官」
父・康平さん:
「お名前は?」
竜佑ちゃん:
「りゅうすけです」
父・康平さん:
「何歳ですか?」
竜佑ちゃん:
「(ジェスチャーで5歳)」
父・康平さん:
「将来は何になりたいんですか?」
竜佑ちゃん:
「ピーポー」
将来の夢は「警察官」という竜佑ちゃん。楽しみはこれからどんどん増えていきそう。
父・康平さん:
「私の父が警察官だったので、それはそれでうれしいかなというふうに感じています」
母・俊子さん:
「本人は楽しく生きてほしいですし、できることなら誰かの役に立ってくれたらうれしいです」
(長野放送)