2024年3月での引退が決まっているJR九州の蒸気機関車が、18年ぶりに「SLあそBOY」として豊肥線を走った。その雄姿を一目見ようと沿道には、多くの鉄道ファンが訪れた。

18年ぶりに「SLあそBOY」が復活

多くの鉄道ファンが見守る中、熊本駅の在来線のホームにやってきたのは、JR九州の観光列車・SL人吉だ。

この記事の画像(13枚)

だが、9月22日は1日限定で、SLあそBOYとして豊肥線を走る。

SL人吉の蒸気機関車・58654号機は、1922年(大正11)製造で、1988年から17年間は、SLあそBOYとして豊肥線を走っていた。

その後、SL人吉として現役復帰したが、誕生から100年が経過し、車体の老朽化や部品調達が困難なことから、2024年3月での引退が決まっている。

そんな中、熊本地震で被災した南阿蘇鉄道が2023年7月に全線再開したことを記念し、SL人吉が1日限定でSLあそBOYとして復活。

18年ぶりに豊肥線を走ることになり、東京や大阪、遠くは北海道から鉄道ファンが駆けつけた。

豊肥線名物のスイッチバックに…

熊本駅を出発したSLあそBOYは一路、阿蘇を目指す。

そして阿蘇の入り口・立野駅から急勾配を上るためのスイッチバックに向かった。

駆けつけた園児たちから、「SL頑張って!」を大きな声で呼びかけられると、SLあそBOYがバックで進み始めた。豊肥線名物のスイッチバックだ。

100歳を超えた蒸気機関車は、ゆっくりと立野の坂を上り、阿蘇路を駆け抜けた。

山口からの乗客:
めちゃくちゃ楽しかった。もっと走ってほしいな

福岡からの乗客:
初めて乗って、めちゃめちゃ地元の人に愛されていると伝わる

18年ぶりに阿蘇に響くSLの汽笛

SLあそBOYは、黒い煙を高く上げ、宮地駅に向かった。

久しぶりに阿蘇に響く汽笛の音に、多くの人が手を振る姿も。

大阪からの乗客:
18年ぶりのスイッチバックに峠越え、見に来る価値がありました

熊本市からの観客:
やっぱり正面がカッコいい。(煙が)空まで届いているみたい

蒸気機関車58654号機は、11月には101歳の誕生日を迎え、2024年3月に引退する。

(テレビ熊本)

テレビ熊本
テレビ熊本

熊本の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。