JR福島駅で進む新幹線のアプローチ線工事。この工事現場を訪れた子どもたちからは、驚きと感動の声が聞かれた。2021年から建設が進むこのプロジェクトは、単なる駅の改修工事ではなく、東日本の新幹線ネットワーク全体の信頼性向上を担う重要な取り組みだ。完成すれば、北海道から福井県まで広がる新幹線網の安定運行に大きく貢献することになる。
14番線に集中する課題
JR福島駅では、高架橋を走る東北新幹線に在来線からやってくる山形新幹線が乗り入れている。東北新幹線へつながる山形新幹線のアプローチ線は、現在14番線へつながる1本しかないため、東京へ向かう「つばさ」も山形へ向かう「つばさ」も14番線しか使えない状況だ。
この制約は単なる不便さだけでなく、運行の安定性にも影響を及ぼしている。つばさと福島駅で連結する上りの「やまびこ」は14番線に入る際、二度も下りの通過線を横切らなければならない複雑な経路を強いられている。
全国に波及する遅延
山形新幹線は在来線の線路を使うため、大雪や動物との衝突などでダイヤが乱れやすいという特徴がある。一度遅延が発生すると、その影響は青森県や秋田県にも及ぶことがある。
さらに深刻なのは、東日本の新幹線ネットワークの拡大だ。山形新幹線開業時は3路線しかなかった東日本の新幹線は、現在6路線に増加。福島での遅延は北は北海道から西は福井県まで、広範囲に影響を及ぼす可能性がある。
2026年度末に完成予定
新しい「上りアプローチ線」の完成は、この状況を大きく改善する。上りと下りの「つばさ」が別々のホームで発着できるようになれば、福島のみならず全国の新幹線の安定輸送につながる。このプロジェクトは2027年3月に使用開始される予定だ。
工事現場を見学した子どもたちからは「どうやって建っているのかも気になるし、疑問と関心がたくさん出てきました」という声も上がっていて、鉄道インフラへの関心を高める機会にもなっている。
(福島テレビ)
