28歳という若さで脳腫瘍により世を去った元プロ野球選手・横田慎太郎さん。その生涯を永く語り継ごうと、故郷・鹿児島県日置市に顕彰碑が建立された。碑に刻まれた「諦めない心」の文字は、彼がグラウンドでも病床でも貫き続けた信念そのものだ。
全国から支援、約200人が除幕式に集結
顕彰碑の除幕式は、日置市のJR湯之元駅前で開催され、地元住民や全国から駆けつけたファンら約200人が参列した。
横田慎太郎さんは日置市出身。鹿児島実業高校でその才能を開花させ、阪神タイガースにドラフト2位で入団した。しかし現役生活の中で脳腫瘍を患い、2019年に引退。その後も前向きに病と闘い続けたが、2023年に28歳の若さで亡くなった。
顕彰碑建立に向けては2025年11月からクラウドファンディングが実施され、全国の多くのファンや支援者から資金が集まった。横田さんへの思いがいかに広く、深く根付いていたかを物語る。
碑に刻まれた「奇跡のバックホーム」と「諦めない心」
顕彰碑の中央には、引退試合で見せた「奇跡のバックホーム」として語り継がれるプレーの姿と、「諦めない心」という力強い文字が刻まれている。

病を抱えながらもグラウンドに立ち、全力でボールを追った横田さんの姿は、多くの人の記憶に焼き付いている。その瞬間を切り取った碑は、単なる記念物ではなく、彼の生き方そのものを体現した存在といえる。
横田慎太郎顕彰碑建立実行委員会の眞田俊実行委員長は「慎太郎さんの生き様や彼が伝えたかった諦めない心を長く語り継いでほしい」と語った。

父の言葉、ファンの思い
除幕式では、父・真之さんも深い思いを口にした。
「この碑を見ると慎太郎の笑顔、頑張りを思い出して、私たちがこの碑の力になっていきたい。慎太郎もどこか空の上で『ありがとうね』と喜んで見ていると思う」

大阪からわざわざ訪れたファンも「ずっと覚えていますよ。忘れません」と話し、横田さんへの思いは今も色あせていないことを示した。
地元の湯田ソフトボールスポーツ少年団の藤崎頼人主将は「横田さんみたいに一生懸命頑張って成果を出したい」と目を輝かせた。横田さんの姿は、次の世代を担う子どもたちへの道標にもなっている。

母校・鹿児島実業高校にも碑が
顕彰碑はJR湯之元駅前だけでなく、横田さんが野球に青春を捧げた鹿児島実業高校のグラウンドにも建てられた。地元と母校、二つの場所でその名と精神は刻まれ続ける。
ひたむきに、力強く生きた横田慎太郎さん。「諦めない心」という言葉は、碑に刻まれることで時を超え、これからも日置市から全国へと語り継がれていく。
【動画で見る▶横田慎太郎さんの顕彰碑が地元・鹿児島に 「諦めない心」奇跡のバックホームを後世へ】

