徳島では「阿波おどり」が11日、開幕した。

しかしいま、この夏の風物詩を脅かす事態が起きている。

それが踊り手を狙った”悪質な撮影”だ。現場を取材した。

11日、徳島市で開幕した「阿波おどり」。

「踊る阿呆」に「見る阿呆」…。15日まで市内各地で踊り手たちが鮮やかな舞を披露する。

■伝統のうらで踊り手を悩ませる悪質な「撮影」 SNSにも

しかし、いま、踊り手たちを悩ませている事態が起きている。
それが「悪質な動画撮影」。

記者:SNSで阿波踊りと検索すると複数の動画が出てきますが、下半身を強調して撮影したような動画も見られます。

近年、性的な意図を持って踊り手を撮影したとみられる動画がSNSに相次いで投稿されているのだ。

そして、動画にはこんなコメントも…
「阿波踊りってセクシーすぎじゃない?」
「股とケツばっかりみてた」

踊り手たちを悩ませている事態が
踊り手たちを悩ませている事態が
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■「悲しい気持ちになる」踊り手も困惑…安全ピンで“対策”も

こうした事態に踊り手も困惑している。

踊り手:純粋に踊りを皆さんに楽しんでほしいと思って踊っているので悲しい気持ちになりました。
踊り手:本来は気にしないで良いことを気にしないといけないと思うのでで嫌だなと。

中には、衣装がはだけないように安全ピンで止めるなどの対策をとっている踊り手もいるということだ。

阿波おどり振興協会・立川真千代表理事:動画だけで伝わるものではなくて、感動を感じれる阿波おどりが魅力的ですので、現地に来てご覧いただきたい。

「本来は気にしないで良いことを気にしないといけない」
「本来は気にしないで良いことを気にしないといけない」

■悪質撮影は違法か?取り締まれるのか? 弁護士が解説「難題も…」

400年以上続く伝統の祭りで悪質な動画撮影。
取り締まることはできるのか。

関西テレビ「newsランナー」で弁護士の西脇亨輔氏が解説した。

西脇氏はまず「許される行為ではなく、違法の可能性も十分あります」とする一方、「実際に取り締まれるのかというところでは、難題も残っている」と指摘した。

法律はあるが取り締まりには“難題”も
法律はあるが取り締まりには“難題”も

■無断撮影 民事では「肖像権の侵害」で賠償責任の可能性も

悪質な動画撮影について西脇氏は、民事では「肖像権の侵害」、刑事では「迷惑防止条例違反」に該当すると指摘する。

肖像権の侵害については次のように解説した。

西脇氏:人が自分の姿を勝手に撮影されない、勝手に拡散されないという、人格としての権利があります。お祭りの場ですから、確かに“公の場”ではあります。だけれども、お祭り全体の説明ではなく、その人に着目して性的に(性的な意図をもって)撮影する、そんなことまでは誰も認めていない。

無断撮影ということになるので、肖像権の侵害ということで損害賠償の請求はありえる。

「無断撮影」として損害賠償請求は可能
「無断撮影」として損害賠償請求は可能

■無断撮影 「迷惑防止条例違反」で刑事罰の可能性も…

そして刑事責任として指摘した「迷惑防止条例違反」。

服の上からの撮影でも「卑猥な言動」として認められれば刑事罰の対象になることもあり、そういう判例もあるとしてうえで、その難しさも指摘した。

西脇氏:『卑猥な言動』というのは抽象的な言葉。『服の上からでも性的な目的で撮影したら違法ですよ』と、はっきり決まっているわけではないので、捜査機関も及び腰になってしまう、という問題も指摘されているんですよ。

また、2023年から施行されている、盗撮に適用される「性的姿態等撮影罪」について、法律改正の議論の中で「服の上からの撮影」も対象とするかどうかは激論になったものの、基準が明確な性的な「体の部位」や「下着」に限定した撮影の禁止になったという。

その際、付帯決議では服の上からの撮影についても検討するとされたものの、明確に禁止されていないのが現状だ。

刑事罰は「可能」 ただし「難題」も…
刑事罰は「可能」 ただし「難題」も…

■主催者が“紳士的な撮影”呼びかけなど 西脇氏「強い警告を出して抑止を」

阿波おどり振興協会は現在HPで紳士的な撮影を呼びかけ、踊り手に露出の少ない服装での練習を指示、エスカレートすれば警察への相談も検討するとしている。

そのうえで西脇氏は「被害者の側が我慢しないといけないというのはおかしな話」としてうえで、今の状況でできることとして「もっと厳しい警告」を出すことが必要とする。

西脇氏:場合によっては法律・条例に反しうるということをはっきりアナウンスして、抑止につなげることも考えていいのでは。

被害者側が我慢しないといけないのはおかしな話
被害者側が我慢しないといけないのはおかしな話

■「SNS事業者を巻き込んだ対策が必要」 背景に悪質動画が“バズる”現実

また、経済学者で大学教授の安田洋祐氏は、背景に投稿するとバズる状況があると指摘。

安田氏:センシティブなものや不適切な内容のコンテンツついて表示されなくなってきていますけど、そこの基準を性的なものに関して緩めていくと、インプレッション数が増えない。

バズらないんだったらそもそも撮影して投稿しないという、発信者側を変えることもできるかもしれない。

西脇氏もSNS事業者も巻き込んでひどい投稿がなされないように対策すべきとした。

安田洋祐教授
安田洋祐教授
関西テレビ
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