鹿児島実業高出身の元阪神・横田慎太郎さんの半生を描く映画『栄光のバックホーム』の特別試写会が鹿児島市で開かれ、後輩や関係者約80人が参加。闘病と懸命にプレーした姿、視力が衰えながらも放った「最後の一球」に会場は涙に包まれ、横田さんの諦めない精神と勇姿が改めて後輩たちの胸に刻まれた。
鹿児島市で特別試写会、後輩たちが涙ぐみながら鑑賞
鹿児島実業高校出身で元阪神タイガースの選手として活躍が期待されながら、脳腫瘍と闘い、2023年7月に28歳の若さで逝去した横田慎太郎さん。その短くも輝かしい生涯を描いた映画「栄光のバックホーム」が11月28日から全国公開されるのを前に、11月21日、鹿児島市の映画館で特別試写会が開催された。
試写会には、横田さんの母校である鹿児島実業高校野球部の後輩や関係者など約80人が参加。横田さんが遺した思いと感動のプレーを映し出す映画に、多くの参加者が涙を流しながら見入っていた。
病と闘いながら放った「最後の一球」が感動を呼ぶ
鹿児島実業高校から阪神タイガースに入団し、将来を嘱望された横田さん。しかし、プロ入り後に脳腫瘍を患い、厳しい治療を続けながらもプレーを続けた。映画では、特に引退試合での印象的な場面が描かれている。病の影響で視力が衰えながらも、外野からの鮮やかな返球でランナーをホームでアウトにした「バックホーム」のプレー。この瞬間は多くの野球ファンに強い印象を残し、映画のタイトルにもなっている。
試写会に参加した鹿児島実業高校野球部の井ノ上兼悟キャプテンは「自分で立ち直って最後にバックホームを見せたところは横田さんの努力と思って、その人柄がすごいなと思った。いま自分も同じユニフォームを着て試合に出ていると思ったらもっと頑張らないと、と思った」と感想を語った。
同じく野球部の南谷流聖さんは「横田選手の諦めない心は自分たちの野球に繋がってくると思ってとても感動した。天国で見ている横田選手に恥じないように、一生懸命全力でプレーしたい」と決意を新たにした様子だった。

映画公開と特別番組の放送
映画「栄光のバックホーム」は11月28日に全国公開される。鹿児島県内でも4つの映画館で上映が予定されており、多くの県民が横田さんの感動の物語に触れることができる。
また、KTS鹿児島テレビでは映画公開の翌日となる11月29日午後3時20分から、特別番組「最後の一球〜奇跡は続く母が見た横田慎太郎〜」が放送される。
横田慎太郎さんが残した「諦めない心」と「最後まで全力でプレーする姿勢」は、今なお多くの人々、特に同じ鹿児島の地で野球に打ち込む若者たちに大きな影響を与え続けている。映画「栄光のバックホーム」を通して、その精神はさらに多くの人々に伝わっていくことだろう。
(動画で見る:涙の試写会 “最後の一球”が後輩たちの胸を打った 映画『栄光のバックホーム』)
