みなさんは自分の膝を観察したことはありますか?

両脚を正面から見て、膝のお皿の上の内側に深い横じわが2~3本あったら膝周辺の筋肉が衰えているサインかもしれません。

健康な膝(左)と衰えている膝(右)(画像はイメージ)
健康な膝(左)と衰えている膝(右)(画像はイメージ)
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「人は歩く時、体重の約5倍もの負荷が膝にかかっています。毎日酷使している膝は加齢と共に関節が変形したり、疲労の蓄積で痛みが出ることもあります。

一時的な痛みであれば安静にするのも良いですが、痛みが継続したり、ぶり返すようであれば、むしろ多少の痛みがあっても動かした方が炎症は早く治ります」

こう話すのは柔道整復師でアスリートゴリラ鍼灸接骨院の高林孝光院長。

「なぜ膝痛は起きるのか」「膝に水が溜まる原因は何か」を知れば、納得がいくと言います。

トップアスリートを含む多くの患者の膝痛を根本から改善してきた、膝の「お皿エクササイズ」と膝周りを鍛える筋トレを高林院長に解説してもらいました。

「膝が痛い」「水が溜まる」原因

膝痛にはさまざまな原因がありますが、圧倒的に多いのは「変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)」です。膝関節の軟骨がすり減ることによって痛みや腫れを起こす病気で、国内では膝痛の原因の約9割が変形性膝関節症だと言われています。

では、膝関節の軟骨がすり減るとなぜ痛みが出るのでしょう。

軟骨に神経は通っていないので、軟骨同士がこすれ合っても痛みは感じません。

「正常な膝」と「痛みがある膝」
「正常な膝」と「痛みがある膝」

膝関節の軟骨がすり減ると、摩耗粉という削れた軟骨のカスが出て、膝関節全体を包む関節包の内側にある「滑膜(かつまく)」に付着します。すると、滑膜の細胞から炎症性サイトカインという生理活性物質が分泌されます。

炎症性サイトカインは細菌やウイルスなどの異物を退治する役割を果たしていますが、摩耗粉も異物と認識して攻撃してしまいます。そのため、滑膜に炎症が起こって痛みが生じるのです。

(画像はイメージ)
(画像はイメージ)

さらに炎症によって滑膜の外側にある関節包が腫れると、中を満たしている“関節液”が増えます。これが「水が溜まる」という状態で、水が溜まると滑膜についている神経が外側に引っ張られるので痛みを感じます。

水を抜けば圧迫感が取れて痛みは和らぎますが、一度膨張した関節包は再び膨らみやすくなるので「水を抜くと膝痛がクセになる」と言うわけです。水を抜いたから膝痛が再発しやすくなるわけではないので、水が溜まって痛い時は我慢せずに抜きましょう。

お風呂の中で膝が楽に感じるのは水圧で外側から内側に圧迫されるからです。サポーターやテーピングで痛みが和らぐのも同じ理由です。