抜けたまつ毛が目に入り込み、ゴロゴロするような不快感を味わった経験はないだろうか。

下まぶたの手前であれば指先で取ることもできそうだが、取ろうとしているうちに奥に入り込んでしまったりして、そのまま行方が分からなくなってしまった…となることも。

まつ毛が目に…(イメージ)
まつ毛が目に…(イメージ)
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また、まつ毛に限らず目にゴミや小さな虫などが入ってくる可能性もあり、ゴロゴロしないとしても、「異物が目の中に入り込んできた場合はどうすればいいのか」などと少し不安を感じることもあるだろう。

まぶた裏のポケットに入り込んでいるかも…

見当たらなくなってしまった、目の中に入り込んだまつ毛などは一体どこに行ってしまったのだろうか? 入り込んでしまった場合は、どのように取り除けばいいのか?行方と対処法を知っておきたい。

冨田実アイクリニック銀座の冨田実院長に話を伺った。


ーー目に入り込んだまつ毛はどこへいくの?

抜けてしまったまつ毛は、涙で自然に流れ出されますが、角膜(黒目)や結膜(白目)に刺さっているケースやまぶたの裏側に入り込んでしまっているケース、涙の蒸発を防ぐために油分を分泌するマイボーム腺に刺さっていることがあります。目の構造として、眼球の裏側まで繋がってはいませんので、見つからない場合は上下まぶたの裏側にある結膜嚢(ポケット)に入り込んでしまっている可能性があります。

目の構造(提供:冨田実アイクリニック銀座)
目の構造(提供:冨田実アイクリニック銀座)

ーー眼球を傷つけたりはしないの?

入り込んだまつ毛が、角膜を傷つけてしまうことがあります。そこから細菌が侵入すると重篤な症状を招くこともありますので、強くこすったりしないように注意してください。痛みや異物感がある時は眼科を受診することをお勧めします。

自分で対処する際は清潔第一

ーー自分で対処しても大丈夫?

目に入ったまつ毛が自分で確認できる状態であれば、自分で対処することもできます。確認できない場合は、まぶたの裏側に入り込んでしまっていると思われますので、痛みや異物感がなければ放置しても構いません(寝ている間に涙で流れ出てくることもありますし、目ヤニとして出てくることもあります)。

ただ、放置することがベストな選択ではないので、眼科を受診して取り除いてもらうことが正しい選択になります。


ーーもし自分で対処するなら、どのような方法が良い?

自分で対処する場合は、目薬や水で洗い流してください。まつ毛が自然に流れ出てくることがあります。また、鏡でまつ毛が確認できる場合は清潔な綿棒で取り除くこともできます。

目薬や水で洗い流したりする(イメージ)
目薬や水で洗い流したりする(イメージ)

ーー対処する際に気を付けるべきことは?

自分で取り除く際に注意することは、まず手指を清潔にしておくことです。点眼薬を使用する場合も、手を洗ってから使用することと、点眼薬の先が目に触れないように注意することが大切です。綿棒を使用する際も目に触れないように優しく行ってください。無理に取り除こうとすると危険です。



また冨田院長によると、ゴミや小さな虫なども抜けたまつ毛と同じで、見当たらない場合は、上下まぶたの裏側にある結膜嚢に入り込んでしまっている場合があるそう。対処法も同じとのことだ。

ただし、目に入った異物が鉄などの金属の場合は、金属が錆びて重篤な症状になる事があるため、早急に眼科を受診する必要があるとも話している。

まつ毛は約2カ月サイクルで生え変わる

ーーそもそもまつ毛などが入らないようにする方法はないの?

目は“むき出しの臓器”ともいわれていますので、異物が侵入しやすいと言えます。ゴミや虫などは眼鏡やサングラスである程度予防できますが、まつ毛は2カ月ほどのサイクルで生え変わりますし、眼鏡やサングラスの内側にありますので予防は難しいと思います。

ただ、まつ毛の状態が悪いと抜けやすくなるので、まつ毛を健康に保つために、まつ毛美容液を使用したり、アイメイクを控えることで、まつ毛を健康な状態に保っておくと無駄に抜けてしまうことは予防できると思います。


ーー最後に、目を健康でキレイに保つためのポイントを教えて。

寝不足や過剰な飲酒、喫煙、運動不足、偏った食事などは目の健康にも良くありません。また、パソコンやスマホが普及している現代社会では、長時間のパソコン作業やスマホの操作などが日常になっています。こういった目を酷使する環境も目の健康を害する可能性があります。

基本的には、体の健康を維持していくことと同じで、規則正しい生活とバランスの取れた食事、適度な運動が目の健康を保つ上でも大切な要素です。また、コンタクトレンズを使用されている方は、レンズの取り外しの際は手をきれいにしていただくことも重要です。

目は、充血や痛み以外には症状を自覚しにくい特徴があるので、異常を感じた時には何らかの病気が進行していることもあります。また、片方の目に異常があっても、もう片方の目が補ってしまうので、異常に気付きにくい特徴があります。特に、近視が強い人や40歳を過ぎた人は、1年に1回は眼科を受診して目に異常がないかを確認することも重要です。

異常がある場合は眼科の受診を(イメージ)
異常がある場合は眼科の受診を(イメージ)

冨田院長は「目に入ったまつ毛やゴミを無理に取ろうとしたり、目を擦ってしまうことで角膜に傷がついてしまうことがあります」と話し、その傷から細菌やカビなどが侵入し、病気の発症や視力低下などが起き、最悪の場合は失明する可能性もあるという。特にコンタクトを使用している人、ドライアイの人は角膜に傷がつきやすいため、注意が必要とのことだ。

対処する際は清潔第一に、無理をしない程度にとどめた方が良さそうだ。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。