特に高齢女性の場合は「トイレに行くことは恥ずかしいこと」と思っていることがあるため、周囲の人に声かけを聞かれないよう配慮することも大切です。

本人がトイレに行きたがらない場合は、時間を置いてから再度声かけをしたり、前回からどのくらい時間が経ったかを伝えてみたりしてください。

それでもうまくいかない場合は、トイレに行きたがらない理由を考えてみましょう。例えば、面倒だから、トイレは寒いからなどの理由があるなら、暖房を付けて暖かくする、時間を少し置いてから「一緒に体を動かそう」と誘う、「トイレに行った後にお茶とおやつの時間にしましょう」と提案するなどすると、トイレに行く気になるかもしれません。

トイレ内での介助の基本

トイレの介助は、本人ができないことだけを手助けするのが基本です。自分でできることは自分でやってもらうことが、本人の能力維持につながります。

『「排泄介護」のお悩み解消ブック』から抜粋(イラスト:熊アート)
『「排泄介護」のお悩み解消ブック』から抜粋(イラスト:熊アート)

良かれと思って介護者がすべてやってしまうと、本人の自尊心を傷つけることになりかねません。排泄行為の流れのうち、本人ができること・できないことを確認したうえで、できないことだけお手伝いしましょう。

もちろん、トイレ内でも本人の羞恥心に配慮することが必要です。周囲の人に見られないように、タイミングを見計らって声かけをするなど工夫しましょう。

『「排泄介護」のお悩み解消ブック トイレ介助、オムツの使い方、下痢・便秘時のお世話のコツ』(翔泳社)

西村かおる
日本三育学院カレッジ看護学科卒業、東京都公衆衛生看護専門学校卒業後、東京衛生病院に訪問看護師として勤務。その後、英国にて地域看護コンチネンスアドバイザーについて失禁看護を学ぶ。帰国後、コンチネンスセンター(排泄ケア情報センター)開設。 2019年山梨大学大学院医学工学総合教育部修士課程看護専攻修了。現在、日本コンチネンス協会の名誉会長を務めるほか、コンチネンスジャパン株式会社専務取締役。全国各地の病院にて非常勤でコンチネンスケアを行う。

西村かおる
西村かおる

日本三育学院カレッジ看護学科卒業、東京都公衆衛生看護専門学校卒業後、東京衛生病院に訪問看護師として勤務。その後、英国にて地域看護コンチネンスアドバイザーについて失禁看護を学ぶ。帰国後、コンチネンスセンター(排泄ケア情報センター)開設。 2019年 山梨大学大学院医学工学総合教育部修士課程看護専攻修了。現在、日本コンチネンス協会の名誉会長を務めるほか、コンチネンスジャパン株式会社専務取締役。全国各地の病院にて非常勤でコンチネンスケアを行う。