福井県の前知事による18年間におよぶ性的な執着…1000通を超えるメッセージがそれを裏付けた。県職員へのセクハラ行為を認め辞職した杉本達治前知事について、外部弁護士による調査報告書が公表され、少なくとも4人の女性職員が被害について証言し、中には体を触られていたことも分かった。

「杉本氏はいわゆる痴漢行為に及んだ」刑法に抵触の可能性も

特別調査委員会の報告によると、杉本前知事は県の総務部長を務め離任した後の2007年から知事を辞職するまでの18年間にわたり、女性職員に対してセクハラ行為を行っていた。

セクハラ行為は長期間に及んだ
セクハラ行為は長期間に及んだ
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被害者らは業務上の一般的なコミュニケーションの中で突然、性的なメッセージを受信し、それは深夜や休日、業務時間内など時間を選ばず送信されたという。

※報告書をもとに再現
※報告書をもとに再現

さらに深刻なのは、調査で杉本氏が女性職員の太ももや尻を触るなどの身体的接触による被害が3件発覚したことだ。

特別調査委員会は「被害者が明確に拒絶し杉本氏も一度はセクシャルハラスメントを認めて謝罪しながら、しばらくすると再び同様のメッセージを送り始めたり執拗に飲食に誘ったりする」行為について「いわゆる痴漢行為」と糾弾し「セクシュアルハラスメントにとどまらずストーカー規制法に抵触する違法行為である可能性も否定できない」と指摘している。

「県組織は不十分と認識せざるを得ない」

約20年にわたる問題行為がなぜ発覚しなかったのかについて、特別調査委員会は「福井県庁という職場にはセクシュアルハラスメントの被害を通報しにくい組織風土があるように思われる」と結論づけた。

会見に臨んだ鷲頭副知事
会見に臨んだ鷲頭副知事

副知事は会見で「内部通報制度は機能不全になっていた」と認め、「残念ながらその点において、今の県組織は不十分であったと認識せざるを得ない」と述べた。また「被害者の尊厳と安全の確保が担保されることが、全ての職員が信頼できる実効的な形で実現されることが必要不可欠」とし、組織改革の必要性を強調した。

県民からは厳しい声

報告書の公表を受け、県民からは厳しい声が相次いだ。

「セクハラをするのは福井県の代表としてどうなのか」

「大人のジョークかなと思っていたんですけど、本当にこんなことがあったら驚きました。辞めて当然だと思います」

「民間では懲戒の対象にもなる話じゃないですか?場合によったら」

「選んだのも県の県民なんで僕たちにも責任はあるかなとは思います」

不同意わいせつ容疑での立件「可能性は十分ある」

フジテレビの平松秀俊解説委員は今回の事案について「セクハラの域を超えて、権力者による犯罪行為に近い」と指摘。

フジテレビの平松秀俊解説委員
フジテレビの平松秀俊解説委員

身体的接触については「強制わいせつ罪に該当する可能性がある」とし、1000通に及ぶLINEやメッセージは「ストーカー規制法違反に当たる」との見解を示した。

平松氏は「強制わいせつ罪もストーカー規制法違反も非親告罪」であり「被害者が告訴しなくても捜査可能」と説明。「これほど注目された今、警察は動かざるを得ない」としている。

報告書に記された被害者の声
報告書に記された被害者の声

被害者への身体的接触については「杉本氏は否定しているが、被害者の証言には真実味があり、信用できる。上下関係を悪用しているような点は非常に悪質。示談にも応じないという姿勢なので、不同意わいせつ容疑で立件される可能性は十分ある」とする。

代理人弁護士を通じ書面でコメントを発表した
代理人弁護士を通じ書面でコメントを発表した

杉本前知事は調査結果について「事実認定と評価を尊重いたします。被害を訴えられた方々に深くお詫び申し上げます」とコメントを発表したが、報告書には被害者らの「杉本氏からの謝罪は一切受けたくない」「受けた精神的苦痛は一生忘れることはできない」「絶対許さない」との声が記されている。

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