前市長の学歴詐称問題によって長らく市政の混乱が続いた静岡県伊東市。この間、田久保眞紀 被告が取った行動は改めて地方自治の在り方が問われるきっかけとなりました。
2025年5月25日。
伊東市・田久保眞紀 被告:
本当に市民の勝利だと思うので、これから市民のために頑張っていきたい
高揚感に満ちていた田久保陣営。
しかし、あれから1年。
その呼称は市長から被告へと変わりました。
伊東市民:
仕方がない。やっぱり無駄なお金。無駄に大切な税金を使ってしまった。そういうこと
伊東市民:
早めに謝ればよかった
伊東市民:
ダメ。嘘つきはダメ
伊東市民:
(裁判で)正直に話してほしい
伊東市民:
反省してほしい。嘘をつかないでほしい。(裁判で)誠実な対応をしてほしい
すべての発端となったのは学歴詐称問題です。
告発文:
東洋大学卒ってなんだ!彼女は中退どころか、私は除籍であったと記憶している
伊東市議会・杉本一彦 議員(2025年6月):
あなたの言葉で言ってほしい。あなたの言葉で聞きたい。東洋大学法学部を平成4年3月に卒業していますね?
伊東市・田久保眞紀 被告(2025年7月):
申請手続きを行ったところ、卒業が確認できなかった。除籍であると判明した
実際には大学を除籍されていたにもかかわらず、市の広報誌などに「東洋大学法学部卒業」と記していた田久保被告。
伊東市議会・中島弘道 議長(2025年10月):
本案は原案の通り決定することに賛成の諸君の起立を求めます
市議会から二度にわたって不信任を議決され、市長の座を追われました。
伊東市・田久保眞紀 被告:
慣れない仕事の中で本当に…職員の…ごめんなさい。職員のみなさんに本当にいろいろとサポートしてもらった
その後、警察の捜査が本格化。
2026年2月には自宅の家宅捜索が行われ、3月には静岡地検が地方自治法違反と有印私文書偽造・同行使の罪で在宅起訴しました。
検察によれば、田久保被告は当選直後に東洋大学の卒業証書を自らの手で作成。
その際、インターネットで購入した学長名と学部長名のハンコを押印していたと見られています。
青木敬博 副議長(3月30日):
無事に起訴されてよかった。これで司法の場に移るが、卒業証書をしっかり出してほしい
一連の問題で注目されたのが市長の権限の大きさです。
伊東市・田久保眞紀 被告(2025年9月):
地方自治法第178条第1項の規定に基づき、令和7年9月10日、議会を解散するため通知する
田久保被告は最初に全会一致で不信任を議決された際、市議会を解散することで、これに“対抗”。
検察の主張を前提にすれば、学歴詐称について虚偽の説明を繰り返してきたにもかかわらず、です。
伊東市議会・中島弘道 議長(2025年12月)
賛成の諸君の挙手を求めます。挙手多数であります。よって本案は原案の通り可決されました
このため伊東市議会は2025年12月、首長の解散権について見直しを求める意見書を採択。
国や自民党本部に対して恣意的な議会解散を防ぐ制度の整備を求めました。
伊東市議会・井戸清司 議員:
(田久保被告の)個人的な問題で我々(市議会が)解散させられて選挙になったことは法律の濫用という思いが強いので、法的な解釈も含めてしっかり考え直さなければならないのではないか
また、この問題をめぐっては、田久保被告自身の行為選択の結果として生じた損害として、市民が選挙費用の賠償を求める住民監査請求にも発展しています。
監査請求人代表・関川永子 氏:
私はこの問題をうやむやにすることなく、明確な決着をつけるため、行動を続けていきたい
ただ、解散権の見直しについて国会で目立った動きは見られないのが現状です。
伊東市議会の要望に同行した衆議院静岡6区選出の勝俣孝明 議員は…。
自民党(静岡6区選出)・勝俣孝明 衆院議員:
市民から選ばれたすべての議員が全会一致で可決した場合は果たしてどうなのか、条件に入れた上で、(法律を)変えるといったことも考え得るのかもしれない。個人的な考えではあるが、そこは議論していかないといけない。議論をしていくということは問題提起していくということ。そこはすごく大事なことだと思う。「これはちょっとおかしい」と黙っているよりも(市議会から)声をあげてもらったので、しっかり議論していきたいし、声をあげていきたい
田久保被告の当選から1年。
地方自治に突き付けられた重い課題は残ったままです。