福井県は22日、県職員1人が杉本知事からセクシャルハラスメントにあたる「不適切な内容のテキストメッセージが送られた」と外部の窓口に相談していたことを明らかにした。杉本知事はメッセージを送ったことを認め謝罪。ただ、セクハラに該当するかどうかについては外部の特別調査に委ねる考えを示した。
知事はメッセージ送信を認める
22日午後3時、福井県が緊急会見を開いた。服部和恵総務部長は、県職員が「杉本知事から不適切な内容のテキストメッセージを送られた」と相談窓口に通報したことを発表。
県によると2025年4月、1人の県職員が県が設置している外部の相談窓口である法律事務所にこの通報したという。

法律事務所から4月下旬に報告を受けた県は、通報した職員らへの内部調査を5月に開始。
また、6月には杉本知事に調査を実施したところ、知事は通報のあったテキストメッセージをこの職員に送った事実を認めたという。

セクハラに該当するか調査
県は外部の弁護士3人を特別調査委員に委嘱し、このテキストメッセージがセクハラに当たるかどうか現在も調査を続けている。具体的な内容は、通報した職員のプライバシー保護の観点から一切明らかにしていない。
また、県は全庁の職員約3500人を対象に、杉本知事から類似の事案を受けたことがないか聞き取り調査を行う方針だ。調査結果がまとまり次第、報告書を公表するとしている。

知事「襟を正して…」
県の会見後、杉本知事が取材に応じた。
杉本知事は「私の言動について不適切との指摘があったことについて県民にご迷惑をおかけしたことをお詫びしたい」と謝罪。その上で、セクハラに当たるかどうかは「調査にゆだねたい」とし、進退については「襟を正し、県政が停滞する事がないよう今後も力を尽くしたい」とした。

杉本知事は東京大学法学部卒業後、現在の総務省にあたる自治省に入省。県の総務部長や副知事を歴任し、2019年の知事選で初当選し現在2期目。