鄙びた温泉街、迷路のような路地、静かにたたずむ木造駅舎…。
一度も来たことはないのに、なぜか懐かしく心惹かれる。
そんな、郷愁溢れる風景を求めて旅する「一人旅研究会」こと栗原悠人さん。
栗原さんが全国各地でカメラに収めた心揺さぶるシーンをお届けする。
写真・文=栗原悠人
神社の参道には色々な形態がある。
中でも惹かれるのは、泳がないと辿り着けない、水上が参道になっている神社や、鳥居が連続で並ぶ神社。
近づくだけで神域に触れるような緊張感が走り、背筋が伸びる。
これだけ分かりやすい場所であったり、目立っていたりしたら、神様も迷わずにやって来れるんだろうなぁ。
泳がないとくぐれない?「水中鳥居」
■茨城・鹿島神宮
神武天皇元年(紀元前660年)の創建と伝わる鹿島神宮境内の御手洗池に浮かぶ。鏡のような池に浮かぶ姿が神秘的だ。池には鯉が泳いでいた。
■佐賀県・大魚神社
海沿いにあり、干潮の時間帯は鳥居をくぐれるほど水が引く。鳥居は30年に一度建て替えるそう。最近は海外観光客にも人気。
■滋賀県・弁天池の沈み鳥居
睡蓮が群生する池の奥に、鳥居の半分以上が沈んだ鳥居。異様とも言える光景に目が釘付けになった。
■山口県・厳島明神
笠戸島の海岸に立つ。石造りの鳥居は大正14年(1925)に立てられたという。100年にわたって、この島を見守っている。
■神奈川県・菜島の鳥居
鳥居と富士山が重なって見える圧巻の光景。真名瀬(しんなせ)停留所付近から見るのがおすすめ。
■群馬県・弁財天宮
渋川市真壁の、湖上に聳える鳥居。広島の宮島の鳥居を彷彿とさせる、本柱の他に4本の足がついている両部鳥居だ。
