鄙びた温泉街、迷路のような路地、静かにたたずむ木造駅舎…。
一度も来たことはないのに、なぜか懐かしく心惹かれる。
そんな、郷愁溢れる風景を求めて旅する「一人旅研究会」こと栗原悠人さん。
栗原さんが全国各地でカメラに収めた心揺さぶるシーンをお届けする。
写真・文=栗原悠人
郷愁探訪として全国を旅している最中で、不思議に思える光景に出会うことがある。
通常、構造物や植物は陸上にあるが、何かしらの目的や経緯があって水上に存在しているものもある。
例えば、電柱、水没林、退廃的空間などなど…。
明らかに通常とは異なった、神秘性をも秘めた存在感に引き寄せられてしまう。
そのような空間を、是非とも紹介したい。
打ち捨てられた乗り物
■長崎県長崎市

廃船。通常、船は水上にあるものだが、全体が錆びてもなお、そのまま放置されているのは新鮮だ。
■北海道洞爺湖町

沼に沈む車。ここは元々国道だったのだが、付近の火山の噴火後に水が湧き出たという。