鄙びた温泉街、迷路のような路地、静かにたたずむ木造駅舎…。
一度も来たことはないのに、なぜか懐かしく心惹かれる。
そんな、郷愁溢れる風景を求めて旅する「一人旅研究会」こと栗原悠人さん。
栗原さんが全国各地でカメラに収めた心揺さぶるシーンをお届けする。
写真・文=栗原悠人
温泉大国日本には、実に様々な温泉がある。
中には、人知れず湧く野湯や、管理者が常駐していない無人温泉があり、「入ってみたい」と冒険心がくすぐられる。
人工物が無い、文字どおり「大自然」に1人静かに浸かるのは、旅の玄人になった気分だ。
これらの温泉は山奥にあることが多いため、訪れるのは熊の活動が収まってからにしよう。
東日本
■秋田県 川原毛大湯滝
沢水と混じり合ったちょうどいい温度のお湯が、滝として降り注いでいる。入浴シーズンには更衣室が用意される。
■新潟県 燕温泉黄金の湯
スキー場が沢山ある山間の道の先にある燕温泉。温泉街の奥地に、有志によって管理される無人の極上湯がある。
■栃木県 須巻温泉跡
かつては温泉旅館があり、その後別荘地として開発されたが頓挫し無人に。今もなお、お湯が湧き続けている。
