ネズミの通り道に粘着トラップを敷くという駆除法も、年老いたネズミには効果が薄いようです。老ネズミは動き回らず、じっとしていることが多いため、なかなか粘着トラップの上を歩いてくれないのです。

粘着トラップ。老ネズミはこの上をなかなか歩いてくれない(筆者撮影)
粘着トラップ。老ネズミはこの上をなかなか歩いてくれない(筆者撮影)

さらに彼らは耳も遠いようで、ネズミが嫌う超音波を発する駆除機を設置しても逃げようとはしません。耳のすぐそばまで超音波駆除機を近づけてやっと逃げていくのです。あるいは、ようやく人の気配に気が付いたのかもしれません。

ネズミも認知症に?

そんな老ネズミの姿を見ていて、私は「ネズミも人間と同じく、認知症を発症するのではないか?」と感じることがあります。年を取って巨大化したネズミの多くは、常にぼ〜っとしているように見えるし、帰る場所を忘れてしまったのか、迷子らしき老ネズミの姿を見る機会も増えてきました。先日も新宿の某スーパーブランドショップの前で、そんなネズミを目撃しました。

巨大な老ネズミが、のそのそと自動ドアを開けて店内に入ろうとしていたのです。その時はさすがに職業柄、黙って見ているわけにはいかず、ネズミが店内に入るのを足で阻止しましたが、あの老ネズミはどこに行こうとしていたのでしょうか?

ドブネズミ(日本ペストコントロール協会)
ドブネズミ(日本ペストコントロール協会)

毒エサや粘着トラップが効かなくなった年老いたネズミは、どんな方法で駆除すればいいのか、私自身も頭を悩ませています。

先日、某飲食店さんから巨大ネズミの駆除依頼が来たときは、ある習性を利用して駆除しました。

ゴキブリが人の顔めがけて飛んでくるのと同じように、ネズミは人間の足元の右側を通り抜けようとします。そこで僕は右足を引いて待ち構え、ネズミが足に乗るタイミングに合わせて勢いをつけて足を払いました。