ちょっとした隙間があれば、餌の匂いを嗅ぎつけて外から部屋の中へと侵入してくる小さなコバエ。蚊やハチのように人間を刺すわけではないので、数匹くらいなら放っておいてもたいして問題は無いのだが、顔の周りを飛び回られるとさすがにうっとうしい。

どうすれば外部からのコバエの侵入を防ぐことができるのだろう?害虫駆除の専門家である足立雅也さん(808シティ代表)に、コバエの侵入・発生を予防する方法を解説してもらった。

前半はこちら→「全てのコバエに捕獲器が効くわけではない!もうコバエを見たくないなら「種類」を見極めて。発生源から徹底駆除する方法

コバエの侵入を完全に防ぐのは不可能!

生ゴミや残飯が部屋の中に放置されていたとしても、室内にコバエが1匹もいなければ、繁殖することはありません。つまり、コバエが外から部屋に入ってくるのを完全に阻止できれば、理論上、発生・繁殖は防げることになります。しかし、残念ながらそれは不可能です。

どんなにドアや窓の開閉の際に気をつけていても、コバエは隙を見付けて部屋の中に入ってきます。特に夏場は窓を開け放つ機会が多いので、侵入のリスクがより高まります。「網戸を閉めておけば大丈夫」と思われがちですが、通常の住宅で使われている網戸では侵入を完全に防ぐことはできません。なぜなら小さなコバエは網戸の目が少し大きいものだと簡単にすりぬけてしまうからです。

巨峰に止まったショウジョウバエ(画像提供:著者本人)
巨峰に止まったショウジョウバエ(画像提供:著者本人)
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エアコンをかけて窓を閉めきっていても、やはりコバエの侵入を防ぐことはできません。アルミサッシのレールと窓枠の間には通常1〜2mm程度の隙間(開閉をスムーズにするためのあそび)があるため、コバエはそこから侵入してくるのです。

チョウバエやノミバエは、浴室の排水口から侵入することもありますし、ショウジョウバエは買ってきた果物に付着して一緒に家の中に持ち込んでしまうことがあります。