こまめに洗濯しているのにシャツの首元や脇が汗で黄ばんでしまった、という経験はないだろうか。

収納していた服を取り出してみたら、半年前にはなかった汚れが付いていたり…。

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原因は普段の洗濯で落とし切れていなかった皮脂や汗などが保管中に黄ばみに変化してしまったものなのだ。

もう捨てるしかないと諦める前に、してほしいことがある。これらの汚れは十分に落とせる可能性が高いという。

洋服を傷めることなく汚れをきちんと落とす洗濯の基本について、“洗濯王子”の愛称で知られる中村祐一さんに話を聞いた。

洗濯機の設定を見直す

「最近は『時短』や『節水』の要望から洗い時間やすすぎの回数が減っています。

その結果、普通に洗えば落ちるはずの汚れが落ち切らず、すすぎも足りていないので、時間が経つと襟回りや脇の部分が黄ばんできたり、黒ずんだり、嫌な臭いを発するなどといったトラブルが生じます」

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中村さんによると、洗濯機の基本設定が時短や節水を重視したセッティングになっているため、衣類に付着した汚れをしっかり落とし切る前に洗いが終わり、さらにすすぎも不十分で、汚れが洋服に残ったままになっているという。

では、設定をどう変更すれば良いのか。

「洗い15分・すすぎ3回・脱水3分」

「洗濯は、洗い15分、すすぎ3回、脱水3分が基準です。これが汚れをきちんと落とすために必要な洗濯の基本です」

まずは、「洗い時間」の設定を見直そう。
しっかりと汚れを落とすためには15分程度の洗い時間が目安になるという。

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家庭用の洗濯機の「標準」や「おまかせ」コースは、7~10分程度の設定が多く、これでは汚れが残ってしまう。
一方で、20分より長く洗うと逆に汚れが戻ってきたり素材が傷んだりするので、洗い過ぎにも注意が必要だ。

次に「すすぎ」。

クリーニング店では「すすぎ3回」が基準だが、家庭用は1回や2回が標準になっていることが多い。中には「すすぎゼロ」といった洗剤も出てきているが、汚れを流し切るためには水を入れ替えて3回すすぎを行うことが大事だという。

せっかくきれいに洗っても、すすぎが甘いと残った汚れが黄ばみや黒ずみの原因になってしまうからだ。

脱水は3分で十分!((画像はイメージ)
脱水は3分で十分!((画像はイメージ)

最後に「脱水」。

脱水は3分で十分。長く回しても絞れる量はそれほど変わらないという。

麻や綿は折れやすい素材なので脱水を長くかけすぎるとキツいシワがついてしまう。

特に注意が必要なのは黒い麻の衣類だ。白い麻はシワだけで済むが、黒い麻は折れたところに白い線が残り元に戻らなくなってしまうことがある。洗濯する時は表示をしっかりと確認することが大事だ。