お風呂に入るのは気持ちいいが、ふと気になるのが“残り湯”はどうするか。
入浴後のお湯はきれいとは言えないため、流してしまっている人も多いと思う。しかし一般的な浴槽で、その量は約200Lにもなるという。
節水のために洗濯や植物への水やりなどに活用することもあるだろうが、もし“入浴剤を入れた残り湯”を使っている場合は、注意してほしいことがある。
例えば柔軟剤を使った場合、衣類に色移りしてしまうこともあるのだ。
洗濯時の色移りを防ぐちょっとしたポイントや、残り湯を再利用する際の注意点を、日本浴用剤工業会で広報委員を務める刈屋完さんと、事務局の石澤太市さんに聞いた。
残り湯は「洗い」の時にだけ
残り湯を1番活用する場面が多いのは洗濯だろう。この際のポイントは“入浴剤を入れた残り湯”を、「洗い」の工程だけに使うことだ。
そもそも入浴剤を使っていなくても、残り湯には人間の皮脂などの汚れが混じっている。そんな残り湯を「すすぎ」にまで使ってしまうと、当たり前のことだが、今度は残り湯の汚れが付いてしまう。
さらには、入浴剤の成分と柔軟剤が化学反応を起こし、衣服に色移りしてしまう恐れもあるのだ。
「『洗い』の時にだけ使うには、洗濯機の種類にもよりますが、基本的には給水ホースを浴槽に入れて、まず“風呂水”や“お湯取”ボタンを押してください。そして使用するタイミングを『洗い』に設定すればOKです。洗濯機のメーカーごとに異なりますので、説明書を確認してから洗ってください」
自動投入機能が搭載された洗濯機であれば、あらかじめ入れていた柔軟剤は「すすぎ」の工程で投入されるので、残り湯と混ざってしまう心配もない。
また、もし色移りしてしまってもほとんどの場合は洗濯し直せば色は落とせるそうだ。さらに色が付いた入浴剤も多いが、柔軟剤を使わないのであれば衣服への色移りの心配はあまりしなくてよいという。
それでも付いてしまった色が落ちない場合は、漂白剤を使ってほしいとのことだ。
「ちなみにおろしたての衣類は吸水しやすく、白地の服は色移りが目立つため、洗う場合は特に注意。必ず手動で設定するか、それでも心配な場合は残り湯を使わないで洗濯してください」
洗濯以外で再利用するのはOK?NG?
残り湯は洗濯以外にも使い道があるが、入浴剤を入れている場合は、いくつか“やってはいけない”使い方もある。
