冷蔵NGの理由として「冷蔵はでんぷんが老化する温度帯だから」とも言われますが、家庭用冷凍庫の場合、冷凍する過程でその温度帯にさらされます。また、冷凍は電子レンジで加熱する際、加熱が足りないと硬めになり、長すぎると中心が団子のようにつぶれて硬くなりがち。
一方で、冷蔵ならば加熱時間が短く済む上に時間調整のストライクゾーンが広いと感じています。

ただし、いずれの場合も冷蔵したご飯は1〜2日程度で食べきることをおすすめします。
ちなみに、私が一人暮らしをしていたとき、夕食の余りご飯は炊きたてのうちに塩むすびにして、粗熱が取れたらふわりとラップをかけて常温に置き、翌朝の朝食にすることがほとんどでした。朝食の余りご飯も同様に、直射日光のあたらない常温に起き、当日の夕食に。
季節や室温などの環境にもよりますが、経験した範囲内では10時間ほど置いても問題ありません。具を入れないのは、具が原因で傷むリスクを減らすため。海苔も傷みやすいので、巻くならば食べる直前に。それでも心配だという場合は、ビニール手袋を使ってむすぶといいでしょう。
朝食に塩むすびがあるときは、あとは味噌汁と漬物を用意するだけ。夕食に塩むすびがあるときは、晩酌の締めに味噌汁と一緒に食べたり、ふき味噌などをのせて晩酌しながら食べたり。個人的には冷めたおむすびこそが真のおむすびだと思っています。
冷蔵庫を味方につけ、ご飯が余ることを恐れずに、ぜひ炊飯を楽しんでみてはいかがでしょうか。
柏木智帆(かしわぎ・ちほ)
米・食味鑑定士、ごはんソムリエ、お米ライター。