私たちがほとんど毎日食べているお米。けれど、生活の中に当たり前にあるものだからこそ、実は知らないことも多いもの。おいしい炊き方や上手な保存方法など、知っているようで知らない話を、お米に魅了されて新聞記者から米農家に転身し、現在は「お米ライター」として活躍する柏木智帆さんが綴る。
お米をおいしく炊くために重要なポイントの一つは「吸水」です。お米のすみずみまで水が行き渡ると、その水が熱伝導の役割を果たして、ふっくらと炊きあげることができます。

そうは言っても、「そんな時間は取れない!」という人がほとんどではないでしょうか。
「帰宅してすぐにごはんを炊きたい」
「朝起きてすぐにごはんを炊きたい」
今回は、そんな人におすすめの生活リズムならぬ“炊飯リズム”をお伝えします。
吸水の3つのポイント
吸水に必要なことは、3つあります。
1つは、洗米と吸水には冷たい水を使うことです。
9月はまだ残暑が厳しい季節。地域や時間帯によりますが、水道水から出る水の温度が20度を超える…なんてことはザラです。
そこでおすすめなのは、冷蔵庫に水を入れておくこと。洗米に使うすべての水を入れておくのは大変ですが、洗米の「最初に使う水」と「最後に使う水」だけでも入れておくとお米に冷水を吸わせることができます。お米は初めて水と出会った瞬間、1割ほど急速に水を吸いますが、手早く洗米している間ならばほとんど水を吸いません。また、最後に使う水はじっくりとお米に吸わせていくためのものでもあるので、こちらの水温も大切です。