カカオ不足で上がっているチョコレートの価格。そんな中、カカオを使用しない“チョコレート風のお菓子”に注目が高まっている。
カカオに代わる原料を使用していることから、「代替チョコレート」とも呼ばれているこれらの商品。実は、カカオ不足の“救世主”になると期待されているという。
これまでのチョコレートと何が違う?そんな代替チョコレートについて気になることを、実際に商品を製造・販売している不二製油株式会社の開発担当者、石渡暁之さんに聞いた。
続くカカオの歴史的高騰と供給不足
なぜチョコレートの価格が高騰しているのか。きっかけはガーナやコートジボワールなど、カカオの主な産地が気候変動の影響を受け、これまでにない甚大な不作に見舞われたことだという。これによりカカオの歴史的な価格高騰が生じ、カカオショックと呼ばれる事態にまでなっている。
「国際的な統計によると、24年まで3年連続でカカオの供給不足が続いていました。このような状況が続くと、仕入れなどのコストがかかり、さらなる値上がりなどが懸念されています」
また、カカオの供給不足はチョコレート価格の不安定だけでなく、生産者の収入の不安定にも直結すると、石渡さんは話す。
「チョコレート価格の変動は、カカオ農家にとってもいいことではありません。価格が上がれば消費者が買いづらくなり、商品が余るようになってしまいますよね。
このような変動の波が大きいと、カカオ農家も安定した収入が得られなくなってしまうのです」
農家の収入安定を図るために
そんな状況の改善を考えて生まれたのが、「代替チョコレート」だ。
