元海上保安官で大型巡視船に乗り組んでいた川崎みささんは、その経験を生かし、整理収納アドバイザーとして暮らしに役立つ情報を発信中。今回は、船内の限られたスペースでの生活で培った整理収納術と、限られた予算内のやりくりで身に付いた節約術を取り入れた、「楽して節約につながる衣替えのやり方」について教えてもらいました。

写真・文=川崎みさ

限られたスペースで暮らす海保の知恵

私が服の管理をするときにお手本としているのが、海上保安庁の巡視船に勤務していたときに教わった「限られたスペースで暮らす工夫」です。

海上保安官時代に「限られたスペースで暮らす工夫」を学びました
海上保安官時代に「限られたスペースで暮らす工夫」を学びました
この記事の画像(11枚)

海上保安官時代に勤務していた大型巡視船は、出航すると2週間から1カ月ほどの長期派遣が多く、船内は仕事をする場所であると同時に生活をする場所でもありました。狭い船内では、個人が使えるスペースが限られているため、小さな収納スペースも工夫しながら使うのです。その経験を自宅での「衣替え」にも応用しています。

最初に「いる・いらない」を仕分け

私は、昔から片付けが苦手だったので、海上保安官になりたての頃はたくさんの私物を船内に持ち込んで、先輩によく「どこに置くつもりなんだ!」と叱られていました。その時に教わったのが、仕事と船内生活に必要なモノとそうでないモノを分ける「整理」をして、使わないモノに貴重なスペースを使わないことです。

衣替えの前に必ず仕分けをします
衣替えの前に必ず仕分けをします

限られたスペースで暮らすために、今でも衣替えで服をしまう前には必ず整理(いる・いらない)をして、不要なモノにスペースを使わないようにしています。

海上保安庁は予算が少ない貧乏省庁なので、仕事で使う制服もたくさん貸与されるわけではありません。通常勤務に使う制服はひとり2着が基本。大型巡視船での長期派遣中も「着て、洗って、また使う」を繰り返しながら、2着しかない制服で仕事をします。

洗濯をマメに定期的にすることで少ない服で暮らしを回しています
洗濯をマメに定期的にすることで少ない服で暮らしを回しています

現場に出たばかりの新人の頃は、制服の下に着るTシャツや下着を「念のため」と余分に船内に持ち込み、狭い収納スペースにギュウギュウに詰め込んでいましたが、「毎日、制服と一緒にTシャツと下着も洗濯するのだから、2着ずつあれば足りる」と気が付き、船に持ち込む服の数を減らしました。数を減らすと収納スペースにもゆとりが出て、取り出しやすくしまいやすくなって管理もラクに。

また、洗濯を「気分」でやったりやらなかったりするのではなく、「定期的」にすることで少ない服でも困らず生活ができるようになりました。