ビジネスメールやメッセージアプリの返信、経費の精算、家の掃除など早く手を付けなければいけないのに、つい先延ばしてしまうことはないだろうか。どうすれば先延ばし癖を直せるのか。

『マンガで挑戦 とっちらかった頭の中を整理して決められる人になる』(主婦の友社)の著者であり、臨床心理士で認知行動療法を専門とする中島美鈴さん(中島心理相談所代表)に解説してもらった。

なぜ人は先延ばしにする?

仕事のメールがなかなか返せなくて作業工程が遅れてしまう。予定を決められなくて人を待たせてしまう。転職したいのに踏み出せなくてぐずぐずと悩んでいる…。

やらなければいけないのはわかっているのに、つい先延ばししてしまう。そんな悩みを抱えている人は多くいらっしゃいます。

なぜ先延ばししてしまうのか。

決断にはさまざまな“先延ばし”にしがちな要素がある(画像:イメージ)
決断にはさまざまな“先延ばし”にしがちな要素がある(画像:イメージ)
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かつて自分がした決断が失敗したり後悔したことがあるから。1つの決断を下すとまた次の決断を下さないといけないのが面倒。決断の責任を負いたくない。先延ばしした方がいい決断ができそうな気がする…。

その理由は様々ですが、先延ばししてしまう人は、何かしらの理由を付けて決断を先延ばしにしたり保留にしたりするのです。

一方で、先延ばししてしまう人の気持ちが分からない、という人もいます。

両者は何が違うのでしょうか。

先延ばしタイプは問題から逃げがち

決断が苦手なタイプにはいくつかありますが、中でも先延ばしタイプの人は、やらなければならないことから目を逸らしてしまう傾向があります。

すると、取り組まなければいけないことに対して悪いイメージを膨らませすぎたり、必要以上に課題を課しすぎたりして、取り掛かる心理的ハードルを上げてしまいます。

一方、先延ばししない人は、現実を直視して行程を一つひとつ分解して考えられるので、取り掛かる心理的なハードルが下がります。