神奈川・藤沢市にある駅近の人気コインパーキングは、異様な雰囲気に包まれていた。
そこに止まっていたのは、スプレーで落書きされた車やドアが外された車など“廃車同然”となっていた大量の放置車両だった。一体、何があったのか?
駅近駐車場に大量の“廃車同然”の車
放置車両がずらりと並んでいたのは、駅近の人気コインパーキングだった。
駐車場利用者から「安くて駅から近いので満車になる」「(Q.ここ満車になるんですか)はい」などの声が聞かれた。
その駐車場があるのは、神奈川・藤沢市。

スプレーで落書きされた車が至る所に止まり、異様な雰囲気に包まれる駐車場。
よく見ると車にはナンバープレートがついていない。
何者かが放置したとみられる車が大量に止まっていたのだ。

中にはドアが外された車やタイヤがないものまであって、“廃車同然”となっていた。

この駐車場には64台の車が止められるが、そのうち放置車両が17台も占めているという。
駅が近いにもかかわらず、料金が安価なことから日中には、満車になることもあるという駐車場。

そのため利用者は、放置車両の付近に車を止めることを余儀なくされている。
駐車場利用者は「明るい時間帯は大丈夫かなと思う」「最初はびっくり。ここに止めて大丈夫かなと」「夜は怖くて止められない、怖い」「(放置車両が)なくなると満車にならないと思うので、希望としては撤去してほしい」などと話す。
近隣から治安悪化を危惧する声…なぜ撤去できない?
放置車両であふれる駐車場はわずか300メートルほど離れた場所にもあった。

ここにも迷惑な放置車両が多く止まっていた。

近隣住民からは「放置車両の上に乗って飛んだり跳ねたり、お酒に酔っているのか分からないが夜だから騒いでる声がして」「廃車がものすごくたくさんあるし、印象として怖いので夜はあまり行きたくない」などと治安の悪化を危惧する声が聞かれた。

地元の自治会長によると数年前から徐々に増えてきたという放置車両。
駐車場が木に覆われ、人目につかない場所にあることから廃車置き場となってしまった可能性があるという。

自治会は8月下旬、市に環境美化を求めて陳情書を提出した。

自治会長:
放置の車からガソリンが漏れたりすると近隣の火事の恐れもあり。ごみを投棄する人が増えていまして、自治会としては市に言っても私有地だからどうしようもないということで壁にぶち当たっている状態。
放置車両はなぜ撤去できないのか。専門家は次のように話す。

橋下綜合法律事務所・去来川祥弁護士:
(駐車場のオーナーは)被害者と言える立場と考える。勝手に破棄してしまったら器物損壊や民事の賠償責任が生じたり、なかなか難しい問題。車の所有者が特定できるか分からない車もまじっていたと思うので勝手に退けるのはリスクがある。

藤沢市は番組の取材に対し、「放置車両の相談があった場合は土地または施設管理者から警察に相談していただくように案内しています」と話している。
(「イット!」9月26日放送より)