自民党の総裁選挙に立候補した小泉農林水産相は、自身の陣営の広報担当がインターネット上に投稿するよう陣営関係者に要請した応援コメント例の一部に、行き過ぎた表現があったとして26日、会見で陳謝した。
応援コメントの一部に“行き過ぎた表現”
自民党総裁選は5日目。
小泉農水相が釈明に追われ、陳謝する事態となっている。

小泉進次郎農水相(44):
私がもっと強ければ、しっかりしていれば、心配かけることはなくこうしたことは起こらないだろうと申し訳なく思います。

きっかけは、小泉陣営の広報班長を務める牧島元デジタル相の事務所が送ったメール。
関係者によると、小泉氏の動画に対して「ポジティブなコメントを書いてほしい」などと陣営関係者に要望。
その要望した24の例文全てが明らかになった。

例文には「総裁まちがいなし」「これは本命候補でしょ!」「ようやく真打ち登場」「『保守政党 自民党の神髄』出ました」、さらに「もう一度自民党に期待させてくれ」「頼む 自民党を立て直してくれ」「期待感しかないでしょ」といったものがあった。

例文の中には「なんか顔つき変わった!?」「去年より渋みが増したか」「泥臭い仕事もこなして一皮むけたのね」「あの石破さんを説得できたのスゴい」「野党への切り返しはするどかったぞ」といった、見た目や行動を褒めるものも。

そして要望メールには、世論調査で小泉氏と上位を争う高市氏を念頭にしたとみられる「ビジネスエセ保守に負けるな」「奇をてらわず、実直に仕事してくれる人がいい」「やっぱり仲間がいないと政策は進まないよ」といった例文まで見られた。
小泉氏は事実認め陳謝…高市陣営は“怒り”
小泉氏は26日、事実関係を認め、自身の関与を否定したうえで陳謝した。

小泉進次郎農水相:
当該事務所の独自の判断として、コメントの参考例を示したメールを送付したものだと報告を受けた。ひとえに応援のメッセージを広げたい思いだったと聞いているが、参考例の中に一部、行き過ぎた表現があったことについては適当ではなく、二度とこういうことがないように話をした。私自身も知らなかったこととはいえ、総裁選に関わることでもあるので、申し訳なく思います。最終的に起きてしまったことの責任は私にあるので、批判は私が受けたい。再発防止を徹底して、緊張感を持って総裁選に最後まで臨んでいきたい。

小泉陣営からは「応援している人に応援のコメントをお願いしたことの何が問題なのか」「本人が会見したので幕引きにしたい」という声が上がっている。

一方、高市陣営の議員はSNSで「総裁選を貶める重大な事案だ」と怒りをあらわにした。

総裁選管理委員会の逢沢委員長は26日、SNSなどを通じて総裁選が盛り上がることは重要だとの認識を示したうえで、陣営間の対立をあおることにならないように期待したいと各陣営に釘を刺した。
総裁選の状況が一気に変化する可能性も…
青井実キャスター:
要請したメールに書かれていた24の例文、いろんな例文がありますね。

SPキャスター・柳澤秀夫氏:
今どきのワンフレーズキャッチコピー的な。ちょっと見ると胡散臭そうなものもあって、これを信じてしまうんですかね。

26日、小泉氏自身が謝罪をして陣営も早く幕引きを図りたいようで、この例文を送った牧島かれん事務所の牧島議員も「私の確認不足により、一部行き過ぎた表現が含まれてしまったものであり、申し訳なく思っております」とコメントしている。
青井実キャスター:
ただ柳澤さん、自民党内からも総裁選挙について一気に状況が変化する可能性もあるという見方も出てきているようですが、どう見ますか?

SPキャスター・柳澤秀夫氏:
こういう応援コメントで状況が大きく変わるものなのかなと、ちょっと僕はそこはクエスチョンマークです。商品を売る時に盛り立てるようなものがあったり、政治の世界でこういうものに同じような傾向が出てこないよう規制をかけることもあるのかもしれませんけど、ネットの世界は規制ってのは難しいと思います。我々、受け手側がネットの世界でいろいろやり取りされているものは、割り引いて考えたほうがいいよって。受け取る側も賢くなることも必要なんじゃないですかね。真に受けないという。
(「イット!」9月26日放送より)