群馬県前橋市の小川晶市長(42)は24日、市職員の男性と2人で複数回にわたってホテルを訪れたとする報道を受けて臨時の記者会見を開き、「男女の関係はありませんが、誤解を招く軽率な行動で、深く反省している」と謝罪した。2人でホテルを訪れた点は認めたが、訪問目的は相談や打ち合わせと釈明した。

小川市長は大学卒業後弁護士として活動し、2011年に群馬県議選で初当選。4期目の途中で辞職し、2024年2月の前橋市長選挙で当選した。

WEBメディア「NEWSポストセブン」は24日、小川市長が市の幹部職員の既婚男性とラブホテルに通い、男性と合流するまでに公用車を使っていたなどと報じていた。

ラブホテル会合認め謝罪も男女関係否定

小川市長は24日夜に会見し、冒頭で報道について、「市民の皆様、職員の皆様、そして、巻き込んでしまった職員とそのご家族の皆様に多大なるご迷惑をおかけいたしましたこと、深くお詫びを申し上げます。誠に申し訳ありませんでした」と謝罪した。

その上で、「報道にあります通り。私が特定の職員と複数回ホテルに行ったことは、間違いがありません」と、男性と2人で複数回ホテルに行ったことは認めた。

そして、「男女の関係はありませんが、誤解を招く軽率な行動であったことを深く反省しています。当該職員には、公私にわたる相談に乗ってもらっていました」弁明した。

職員の男性については、「特別職や他の職員には言えないような悩みもあり、一番にコミュニケーションをとっていた人物」と説明。

なぜラブホテルで?

ホテルで会っていた理由について小川市長は、「日中は公務等があって話す時間もなかなか取れないので、プライベートの時間に飲食店や、カラオケボックスなどで相談をしていました。しかし、飲食店やカラオケボックスなどでは周りの目があり、具体的な会話が制限されることから、もっと安心して話ができるところはないか、ということでホテルはどうだろう?という話になりました。飲食店にいてもカラオケに行っても、コンビニや道路を歩いていても、必ず誰かしらに合うので、誰の目も気にしなくて、何でも相談ができる場所という判断でした」と話した。

そしてホテルの中での行為については、「ホテルには食事を持ち込み、夕飯を食べながら、相談や打ち合わせをしていました」と主張した。

その上で、「今回の件について、原因は、私の人間的な未熟さ、公人としての自覚が足りなかったことにあると考えております」と反省の弁を述べた。

ラブホテルでの相談内容

そして、「私自身の性格もありますが市民や職員の前では、悩みを見せないように常に笑顔で元気な姿を見せたいという思いが強く、悩みや感情を打ち明けられる人があまりいなかったこともあり、いろいろな問題を抱えて、メンタルが落ちたりすることもありました。
そうした状況を見て、当該職員が話を聞いてくれたり、相談に乗ってくれたりしていました。
特に8月は私の身内が亡くなって、その関係で公務に参加できなかったり、葬儀の段取りが思うようにいかなかったりと精神的にも不安定だった時期で、市役所内でも対応方針について話をしましたけれども、プライベートでも納得のいくまで相談に乗ってもらった記憶があります」と説明。

「今回の報道で市民の皆様にショックを与えたことについては本当に申し訳なく、私自身の未熟さを痛感しております。相談をする場所が極めて不適切だったということで誤解を与えるような軽率な行動であったことを猛省しています。職員も動揺すると思うので、本当に申し訳なく思っております」と改めて謝罪した。

自らの進退については、「業務になるべく影響が出ないように、今後の対応については?副市長や、総務部ともよくよく相談して、進めていきたいというふうに考えております」と述べるに留めた。

記者の追及

記者からは、9月10日に記録的短時間大雨情報が出て、市の防災危機管理課が市民に注意喚起していた時に男性とホテルにいたのはなぜかとの質問が出たが、小川市長は「危機管理の対応については、もちろん、警戒が出るような恐れがある場合には、私も自宅で待機をしたりしているんですけれども、その日に関しては特段そういった状況ではなかったので、通常時と同じように、いつでも連絡が取れるような体制をとっていた。本当にホテルの中でも打ち合わせというか、いつでも何かあれば駆けつけられるような状況でありましたので、問題はないというふうに考えてしまいました」と答えた。

ホテルでは「10回以上」会った

またホテルでの相談を持ちかけたのは男性職員であり、それに応じた理由については、「その職員を信用していた」と説明。

ホテルで会った回数については2~3月以降から合わせて「10回以上」で、滞在時間は「2時間から3時間だった」としている。

相談内容が「プライベートな時間に私の悩みや相談に乗ってもらっているということなので、公務ではないというふうに思っております」と言うことで、ホテルの代金は小川市長が「私費」として支払ったという。

プライベートな時間に相談した理由を聞かれると、「職場では私も悩んでいることをうまく話せなかったりだとか、あとは感情が出て、泣いてしまったりということができなかったので、そういった心の中のモヤモヤしているところを職場外で聞いていただいたというのが多いです」と説明した。

また男性と会うまでの移動については、公用車を使った事もあったと認めた。

男性の妻は「恐らく知らなかった」

さらに、男性の妻が市長との関係について知っていたのかについては、「私の方では承知はしていないんですけれども、おそらく知らなかったんじゃないかなというふうに推察をします」と話した。

相談の場が「ラブホテル」だった事に問題が無いか聞かれると、「通常であれば誤解をされてしまうような場所であったというのは、今は本当に申し訳なく思っています。当人同士が何もないからいいんだというふうに身勝手に判断してしまったということで、大変反省をしています」と反省の弁を述べた。

さらに記者から、弁護士として活動していた市長に対し、「訴訟などでは、こうした場所で会っていた場合、男女関係がなかったといっても通らないというのが相場であり、脇が甘かったのでは」と指摘されると、「その通りとしか言いようがない」「本当に、こう、考えが足らない判断だったという、ふうに思っています」と言葉を絞り出した。

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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。