片付けに苦手意識を持っている人は少なくないだろう。実は片付けを実行するまでには「意思決定のプロセス」を経なければならず、苦手な人はこのプロセスの一部でつまずいているという。
『マンガで挑戦 とっちらかった頭の中を整理して決められる人になる』(主婦の友社)の著者であり、臨床心理士で認知行動療法を専門とする中島美鈴さん(中島心理相談所代表)に解説してもらった。
片付け苦手な人が苦手なもの
片付けが苦手で困っている方はたくさんいらっしゃいます。
片付けが苦手な人は、ルールや枠組みを作るのが苦手で、ルールを守るのも苦手です。
衝動に任せてモノの置き場所のルールを破って適当にものを置いてしまうから、例えば本来お箸を置くスペースだったところについフォークを置いてしまったりして、いつの間にかいろんなところがガチャガチャになってしまう。

そもそもモノの置き場所を決めるというルールを作る発想がない人もいます。友人からもらったお土産も、ちょっと趣味に合わなくてもなんとなく捨てにくいからその辺に置いておく。一貫性がなく、その場その場の判断でモノを置くので、常に家がごちゃごちゃに。
ちなみに家がおしゃれできれいな人の家は、そもそも物が圧倒的に少ない。偏見かもしれませんが、友人からもらったお土産でも、趣味に合わないものは躊躇なく捨てているのでは?と思ってしまいます。
それくらい、自分の価値基準とルールがはっきりしていないと、家や部屋を綺麗に保てないのです。
片付けと「意思決定のプロセス」
実は片付けが苦手な人たちが直面しているのは「意思決定」の問題です。
一見関係なさそうに思えますが、片付けという行為は、「意思決定のプロセス」というものに沿って行われます。