岡本さんに聞いた、被災時を想定した調理の手順は以下の通り。
(1)冷蔵庫と冷凍庫にある、食材の消費期限や賞味期限をチェックする
(2)傷んで食べられなくなる順番を考慮し、食材や調味料を組み合わせる
(3)食材や調味料を耐熱ポリ袋に入れ、揉みこんで混ぜる。袋は空気を抜いて縛る
(4)鍋の底にお皿を敷き、水を入れる(量の目安は、耐熱ポリ袋全体が浸かる程度まで)
(5)コンロで水を沸騰させ、食材入りの耐熱ポリ袋を投入。しっかり火が通るまで湯煎する
まず優先すべきなのが、冷蔵庫と冷凍庫にある食材の確認だ。消費期限や賞味期限が“早いもの”から順に使うのが鉄則だという。
「停電が長引くと食材は腐っていきます。特に魚介類や肉類などの生鮮食品、牛乳やヨーグルトなどの乳製品は傷みやすいので、優先的に使ってください」

併せて使いたいのは、水分を多く含んだ食材。被災時には貴重な存在となるそう。
「野菜類や豆腐は加熱すると水分が出てスープのようになるので、調理用の水を節約できます。液体を多く含んだレトルト食品や、煮汁が入っている缶詰類も効果的です」
おいしさアップに効果的な食材
さらに、調味料やだしの代わりになる食材は、おいしさアップに効果的。

「子供がいる家庭にお勧めなのは、ソーセージやベーコン。味もしっかりついているし、手で簡単に千切って調理できるのも利点です。大人向けであれば、キムチもお勧め。そのような食材がなくても、ケチャップや焼肉のたれなど、お好みの調味料で味付けしてください」
メニューが決まったら耐熱ポリ袋に入れ、揉み込んで味をなじませよう。被災時の料理は手間なく作れればいいので、食材の種類や量はお任せでOKだという。

「後はコンロで鍋にお湯を沸かし、食材を入れた耐熱ポリ袋を入れて加熱すれば完成です。ただし、耐熱ポリ袋が溶けてしまうのを防ぐため、必ず鍋底に一枚お皿を敷いてから、耐熱ポリ袋を入れるようにしてください」