北海道・苫前町で11日、体重約400kgの巨大グマが出没し、監視カメラには箱わなを倒す様子が映っていた。

岩手県では柿の木に居座る親子グマ、長野県ではリンゴを2トンを食い荒らす被害も発生。専門家は「学習能力の高いスマートベアの増加で捕獲が難しくなっている」と話している。

巨大グマが出没し果樹園や住宅地でも被害相次ぐ

11日、雪が降る北海道・苫前町に現れたのは、体重400kg級とみられる巨大グマだ。脂肪をたっぷり蓄えた体をゆさゆさと揺らし、歩いている。

ベテランハンターも、これまで見たことないという巨大クマに驚きを隠せない。

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狩猟歴49年 苫前町猟友会・林豊行さん(76):
いろんなクマを見ているが、この400kg級のクマを見たときは「えっ」と思って。一番びっくりした。

さらに12日、監視カメラが捉えたのは、約300kgの箱わなを簡単にひっくり返すクマの異様な行動だ。

岩手では柿の木に居座るクマ2頭

2025年度のクマ被害が過去最悪となる中、17日も各地でクマの出没が相次いだ。

17日午前10時過ぎ、岩手・岩泉町では住宅の近くにある柿の木に親子とみられるクマ2頭が現れた。

約12時間経った時点でもクマは柿の木に居座っている。柿を食べるのに飽きたのか、木の上で寝てしまった。

長野では1頭でリンゴ2トン食い荒らす

一方、長野・上田市の果樹園に14日に出没したのは丸々と太ったクマだ。

おなかの肉を揺して向かった先にあったのは、リンゴの木だ。巨体を器用に使って木に登ると、リンゴの実を食べ続けた。

この坂下果樹園では1週間の間に2トンものリンゴをクマに食べられ、被害額は約200万円に及ぶという。

坂下果樹園・坂下浩さん:
初めは何頭も来ているのかなと思ったが、丸々とした大きいのが1頭で食べていてビックリ。

老練ハンターも驚く学習能力の高い巨大クマ

止まらないクマ被害に、番組はクマの町として知られ、連日クマの出没が相次いる北海道・苫前町へ向かった。

クマへの警戒が続く町で、連日出動を続けているのがハンター歴49年の林豊行さんだ。

今回、特別にパトロールに密着取材することができた。

苫前町猟友会 林豊行さん(76):
今年は異常、(クマが)出ている数が。こんなデカいのは見たことがないというクマが出たのは驚き。