温かい料理を楽しみたい、もしもの防災グッズとして…。家にカセットボンベ(ボンベ)を備蓄している人は多いのではないだろうか。
ただし、長い間“眠らせている”なら注意が必要。未使用でも経年劣化し、気付かずに使うとガス漏れや火災の要因になるという。
一般社団法人「日本ガス石油機器工業会」の岡本務さんに、家にあるものが安全に使用できるかどうか、見極めるポイントを聞いた。
使用期限は“製造から”約7年
岡本さんによれば、ボンベは「外見で異常がないように見えても、内部にあるゴム部品などが経年劣化していく」と注意を促す。
「ボンベのノズル付近には、ガス漏れを防ぐためのゴムパッキンがあります。ここが劣化すると、カセットコンロ(コンロ)への装着時にひび割れてしまうんです」

そこでまず確認すべきは、ボンベの底面に記載された製造年月日。使用期限の目安である「製造から7年以内」に使い切ろう。
また、製造から7年経っていなくても、次の3点いずれかが見られるなら要注意だそう。
(1)明らかにさびている、変形している
(2)本体から“ガス臭さ”を感じる
(3)キャップをせずに保管していた

「さびが目立つ場合は劣化しています。嫌なにおいを感じたら、ガス漏れしている可能性が高いです。いずれも使用を中止してください」
実はボンベのガスには、漏れた際にすぐ気付けるよう、意図的に“腐ったタマネギ”のようなにおいが含まれているのだとか。
「劣化に気付かないまま使用すると引火して、やけどや火災につながる危険もあるので、“使用前のチェック”と、劣化を促進させない“適切な保管”が重要になります」
劣化を早めるのは「温度と湿気」
トラブルを避けるためにも劣化させたくないところだが、対処法はあるのか。
気温や湿度が急激に変化すると、さびを引き起こしやすくなるため、室内で保管するのが鉄則だそう。その上で、保管場所が重要なポイントになるという。