「ほかにも、設置が簡単なポップアップテントを用意する、車避難ができるようにしておくなどもいいでしょう。また、家の中で安全が確保できる場所があれば、猫だけを自宅に残し、飼い主は避難所から家に通って猫の世話をするという方法もあります。いざというときに備えて、たくさんの選択肢を考えておきましょう」
猫のために備えておくもの
猫用の非常用グッズを準備しておくことも忘れずに。

「まずは猫の命や健康にかかわるモノを最優先に。緊急時はフードが手に入らなくなっても支援物資は人間優先。最低1カ月くらいはローリングストックしておくことをお勧めします。持病がある猫の場合、薬や療養食も忘れずに。あとは薬の記号番号や量が記載してある面の写真を撮ってスマホに保存しておけば、巡回診療をしてくださる獣医さんも対応しやすくなります」
ローリングストックとは、フードなどを少し多めに買っておき、賞味期限の近いものから普段のご飯として使い、新しく買い足して常に一定量を備蓄する方法。
帰宅困難になった場合に備えて、自動給餌器を導入するのもリスク管理になる。
「ある方は、停電になった時のために、コンセントに蓄電池をつなぎ、蓄電池から自動給餌器の電源を取っています。水も、1カ所だけではなく、こぼれてしまった時のために何カ所か設置しておくといいでしょう」
自宅を離れて生活する場合や、人に預ける場合に必要になるのがキャリーバッグだ。
平井さんが監修した『決定版 猫と一緒に生き残る防災BOOK』によれば、衝撃に強いクレートタイプがお勧めとのこと。さらに、上からも開けられるタイプだと猫を入れやすい。持ち運びには、肩掛けベルトがあるとベターだ。合わせて、猫を入れて落ち着かせ、脱走防止にもなる洗濯ネットなども準備しておくことを推奨している。
病院用のキャリーに加え、災害時に備えてシェルター兼用のキャリーを準備してもいいかもしれない。