12月28日に開幕する全国高校サッカー選手権大会。長崎代表は、創部わずか7年の九州文化学園サッカー部が初出場、チームとして初の全国大会に挑む。チームの原動力となっているのは、最長11年にわたり培われてきた選手と指導者の絆だ。
創部7年で初の全国の切符
練習に熱が入る長崎県佐世保市の九州文化学園サッカー部。
12月28日に開幕する冬の選手権に、長崎県代表として出場する。
主将の松本士苑選手(3年、DF)は「苦しいときもあったが皆で切磋琢磨してやってきた。全員で勢いを持ってやっていきたい」と意気込む。
チームスタイルはボールの保持率を高めて主導権を握る“ポゼッションサッカー”だ。県予選でもこれを貫き、準々決勝で名門・国見を破るなど強豪校を次々と撃破。2019年の同好会立ち上げからわずか7年で初の全国の切符を掴んだ。
大舞台に強いエース 成長の陰にあるのは…
チームのエースは宮崎出身のFW小田琥太郎選手。県予選の準決勝と決勝でそれぞれ2得点を挙げ、大舞台での強さも持ち合わせている。
小田選手は「県大会で自信がついて、全国でもやっていける自信がもてた。全国でも点を決められるように頑張る」と話す。
入学当初、決定力に課題があった小田選手の成長には、指導者の存在があった。
「有光さんもFWとして活躍していたので、プロで経験したことなどを自分にインプットして練習を重ねたら上手くなった」と小田選手。
「有光さんのプレーを見ることもある。見て学びながら頑張っている」と話す。
金髪の指導者は元Jリーガー
2020年から指揮をとるのは、有光亮太監督(44)だ。
現役時代にV・ファーレン長崎でも活躍した元Jリーガー。
有光監督は「高木さんはじめV・ファーレン長崎でもたくさんの監督と出会い、何より自分自身が色々なポジションを経験させてもらったので、その中で得た経験を今の指導現場に落とし込んでいる」と語る。
有光監督は、11年前に佐世保で小中学生対象のクラブチームを立ち上げた。当時から知る選手たちが、いまチームの主力となっている。
小学2年生から有光監督の指導を受けているMF水田凜太朗選手(2年)は「サッカーのときは真剣に的確にアドバスをくれて、サッカー外では気軽に話しやすい。とても頼りがいがある」と、信頼を寄せる。
有光監督は「11年一緒にやっている選手もいるし、5年以上やっている選手も大勢いるので、選手たちが大舞台で活躍できるところまで来たのは感慨深いものがある」と話す。
初戦は29日、浜松開誠館(静岡)
九州文化学園の初戦(1回戦)は12月29日、静岡代表の浜松開誠館と対戦する。
有光監督は「圧倒して勝利と感動をスローガンにして臨むが、まず選手たち自身が感動できる試合ができればいいし、その上で見ている皆さんに感動を与えられたら」と大会への思いを語る。
松本主将が掲げる目標は「全国優勝」だ。「長崎を代表して行くのは光栄。チームで取った全国大会なので全員でしっかりやっていきたい」と、決意を語った。
長い年月をかけて深めてきた絆を武器に、九州文化学園の挑戦が始まる。
(テレビ長崎)
