鳥のために備えておくもの

鳥の命にかかわるものも備えておこう。

鳥のために用意する非常用グッズリスト(『決定版 鳥と一緒に生き残る防災BOOK』より)
鳥のために用意する非常用グッズリスト(『決定版 鳥と一緒に生き残る防災BOOK』より)

まずはフードの確保を。

「鳥は食いだめができないため、半日ほどの絶食で命を落とすこともあります。非常時にフードが手に入らなくなることを想定して、ローリングストック方式で最低でも1カ月分は備蓄しておきましょう。持病の薬も忘れずに」

ローリングストックとは、フードなどを少し多めに買っておき、賞味期限の近いものから普段のご飯として使い、新しく買い足して常に一定量を備蓄する方法。

どうしても餌が手に入らない時は、一時的に人間の食料を非常食として与える方法もあるという。生米(炊いたものをそのまま与えるのはNG、乾燥させたものであればOK)、アワ・ヒエ・キビなどの雑穀は鳥用シードに入っているので安心。ドライフルーツや乾燥野菜もOK。乾パンを小さく砕いたものを与えてもいい。

鳥は半日の絶食で命を落とすこともある(画像はイメージ)
鳥は半日の絶食で命を落とすこともある(画像はイメージ)

非常用持ち出し袋には、あらかじめ鳥の迷子チラシを作って入れておくと、いざというときに役に立つ。また、鳥を引き取る時には自分が鳥の飼い主であることを証明しなければならないため、自分と鳥が一緒に写っている写真も用意しておこう。

動物病院やボランティアさんに預けることも考えて、鳥の健康状態や病歴、お世話の仕方などをまとめた健康手帳も準備しておくとよい。

避難の場合に考えておきたいこと

在宅避難が難しい場合は、鳥とともに避難所などに行くか、親戚など親しい人に預ける可能性も考えられる。そのような時、全長35cmくらいまでの鳥であれば、ケージごと運ぶことを『決定版 鳥と一緒に生き残る防災BOOK』では紹介している。

複数羽飼っていてそれぞれのケージを運ぶのが難しければ、段ボールなどで鳥かごに仕切りを作るという方法もある。

大型鳥でケージごと運ぶのが難しい場合は、犬猫用のキャリーバッグで運び出す。頑丈で、肩にかけられたり背負えるクレートタイプがお勧めだ。

大型鳥の場合は犬猫用のキャリーで運び出すという選択肢も(画像はイメージ)
大型鳥の場合は犬猫用のキャリーで運び出すという選択肢も(画像はイメージ)

どうしてもケージごと持ち出せない場合は、小さいプラケースなどでもよい。安全が確認できてからケージに移すなど、臨機応変に考えよう。

なお大型鳥やパニックになりやすい鳥は、運びやすさやケガのリスクを考えて、場合によってはクリッピングするという選択肢も考えられる。