会社で自分のデスク周りだけ物が散らかり、物や書類などが見つからないという経験はあるだろう。

なぜ、「必要なときに大事な書類が見つからなくなってしまう」のか。こうした悪循環の連鎖で落ち込んだりすることもあるだろうが、この“ループする失敗”は少しの工夫で減っていくという。

自身もADHD特性のある臨床心理士・中島美鈴さんの著書『仕事も人生も、これでうまく回る! 不器用解決事典』(朝日新聞出版)から、一部抜粋・再編集して紹介する。

なんで、こうなるの?

【なぜ、いつも必要なときに大事な書類が見つからなくなるんだろう?】

会社の自席の机周りがいつも散らかっていて、探し物ばかりしています。いざ必要なときに、大切な書類が見つからず困るのは日常茶飯事。パソコンを開くスペースすらなく、椅子のアームレストの上に乗せて作業することもあります。

窮屈で肩も凝るし、机が汚いと仕事ができない人と思われそうです。

雑多な刺激の中から、あるものに焦点づけることを「注意」と呼びます。この注意が上手に焦点化できると、探し物を見つけやすくなります。

反対に、探し物が苦手な人は、関係のないたくさんのものの中から、ひとつの探しものに集中して探し出すという注意を向けて、コントロールする側面が弱いのです。

関係ないたくさんの物の中から目的の物を探すのは苦手(画像:イメージ)
関係ないたくさんの物の中から目的の物を探すのは苦手(画像:イメージ)
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専門的には、注意の配分や持続性に問題があると言われています。注意力に問題のある方は、机周りが散らかっているときに、多くの物が溢れる中から必要な書類を見つけるのに苦労しています。

探し物をしながらも物が右から左に行ったり来たりするだけで、途中からは「こんなところに期限切れ間近のクーポンがあった!」などと脱線し、そのうち何を探しているのかも忘れてしまって、「あれ? 今何しているんだっけ?」とゴールを見失ってしまうのです。