文字通りの断崖絶壁で横たわる女性。

長野市の戸隠山で滑落した登山者だ。

長野県警によると、県内で発生した山岳遭難の件数が、過去最多だった2024年を9日の時点ですでに上回っていることが分かった。
ひと1人通るのがやっとの場所で滑落
山岳救助にあたる長野県警は、実際に行った救助活動の動画を公式YouTubeで公開し、注意を呼びかけている。

その動画の1つが、2025年7月に戸隠山で起きた滑落事故の救助活動の様子。

現場は、尾根にある「蟻(アリ)の塔渡り」と呼ばれるルート。幅が極端に狭く、過去には死亡事故も起きている難所だ。

ひと1人通るのがやっとの場所で滑落し、横たわっている女性。そばには救助の準備をして待つ別の隊員の姿もある。

県警隊員:
どこで落ちたんですかね?
遭対協隊員:
そこで落ちて、そこに…。
県警隊員:
こっち!?
女性は隊員に対し、滑落した際の状況をこう説明する。
県警隊員:
どうして落ちちゃったんですか?足滑らしてとか?

女性:
あそこ渡る時に、自分で下に足を下ろしたつもりが滑ったんだと思います。

四つんばいでルートを進んでいた女性は、下りの傾斜で後ろ向きになろうとして足を滑らせ滑落し、近くの木に引っかかったとみられる。

県警隊員:
ちょっと首、最初固定するね。

女性は滑落により、首と背中を痛めたうえ、足にしびれも出ていたため、ヘリで搬送された。
動画を締めくくるのが、登山者に対するこの一文…。

「登りたい山=登れる山ではありません」
山登りには、自身の力量に見合った山選びとともに十分な装備と準備が求められる。
(「イット!」 11月11日放送より)
