解決像を具体的にイメージする

私の相談所で提供している「先延ばし克服のプログラム」では、解決像のイメージを具体的に描いてもらうために、インタビューを行います。

臨床心理士・中島美鈴さん
臨床心理士・中島美鈴さん

例えば、「10年先延ばししていた論文が1カ月後に仕上がったとしたらどうですか?」と尋ねて、その時の気持ちを一言で表してもらいます。すると、「最高じゃないですか」「涙が出そうですね」「休日もやっと楽しめそうですね」などと、どんどん具体的なイメージが湧いてくるのです。

この時、できるだけ具体的にイメージすることがポイントです。例えば片付けの場合は、「モデルルームのようにきれいにする」なのか「ソファの上の洗濯物をしまってくつろぐ」なのかでゴールは変わってくるからです。

解決像にネガティブなイメージがある場合にも逃げずに向き合うことが大切です。

やりたいことがある週末に友人から誘われたら?(画像:イメージ)
やりたいことがある週末に友人から誘われたら?(画像:イメージ)

例えば「週末は自分のために時間を使いたいのに友人に誘われた」といった場合。

この時、「断ったら相手ががっかりするだろう」という、ネガティブな解決像にとらわれていると、「無理してでも行ったほうがいい?」「でもこの日は家の片付けもしたいし自分のために時間を使いたい…」などぐるぐる考えてしまってなかなか返事が送れません。

ここで、「相手をがっかりさせたくない」と「自分の時間を持ちたい」ということが両立不可能であるということに向きあうことができれば、「なるべく友人をがっかりさせずに自分の時間を守る」というゴールが見えます。

すると、「この日は難しいから、また改めて行きましょう」という断りのメールを送るという手段が見えてくるのです。

締め切りやルールを決める

ゴールが明確になったら、締め切りを決めます。例えば片付けだったら「今月中にクローゼットを整理する」、メールだったら「開いたら3分で返す」などの具体的な締め切りを決めて、やることを一つ一つ確認し、期限内でできるように逆算して行動します。