なぜアメリカが敵だった?

では、アメリカはなぜ敵だったのでしょうか?

日本と中国は、1937年から戦争状態にありました。そしてアメリカは、日本と戦っている中国蒋介石政権を支援していた。このように、日本の主敵はアメリカとソ連だったので、ドイツ、イタリアが同盟国に選ばれたのです。

二つ目の理由は、当時ヒトラー・ドイツが連戦連勝だったことです。

1940年春、ドイツは、デンマーク、ノルウェー、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、フランスなどを次々と攻略していきました。

特に、ドイツが大国フランスに、わずか1カ月で勝利したことは、世界に衝撃を与えました。日本は、「ドイツが勝つだろう」と考え、この国との同盟を決断したのです。

しかし、日本の決断は間違っていました。ドイツの優勢は長く続かなかったからです。1941年6月ソ連が、1941年12月アメリカが参戦し、ドイツは敗北に向かうことになりました。

というわけで、現代の私たちも、少し長期的視点で考える必要があります。まず、現在の「地政学的状況」を見てみましょう。

まずはロシアの動きから

2022年2月、ハートランド・ロシアは、ウクライナへの侵攻を開始しました。国際的に孤立しているロシアを、直接助けている国は、イランと北朝鮮です。

イランは、ドローンを輸出することで、ロシアの戦争に貢献しています。北朝鮮は、ロシアに弾薬と兵士を提供しています。北朝鮮の兵士が、ロシアのクルスク州でウクライナ軍と戦っていることは、広く知られています。

中国は、ロシアから原油、天然ガスを大量に輸入することで、経済的にこの国を支えています。そして、イランの手下であるハマスは2023年10月、イスラエルを奇襲し1200人を虐殺しました。結果、イスラエルvsハマスの戦争が始まりました。2024年、この戦争は、イスラエルvsハマス、ヒズボラ、イランに拡大していったのです。