トランプは2025年2月26日、「ウクライナに対する安全保障は米国ではなく欧州が提供する」と発言しました。これは、「歴史的」ともいえる重要発言です。

なぜでしょうか?ウクライナの安全保障は、欧州全体の安全保障と深く関わっています。プーチン・ロシアがウクライナ全土を征服すれば、次に旧ソ連のNATO非加盟国モルドバがターゲットになるでしょう。
モルドバの後は、旧ソ連のNATO加盟国バルト三国(リトアニア、ラトビア、エストニア)が狙われる可能性が高いです。「ロシアがNATO加盟国であるバルト三国に侵攻すれば、ロシアvs NATOの戦争になる。そんなことはありえない」と思えるでしょう。確かにその通りです。
しかし、そのとき、「アメリカがNATOを脱退していたら」どうでしょうか?そして、トランプは、NATO脱退の可能性を否定していないのです。
「時事」2024年12月9日付。『対ウクライナ支援、削減も NATO脱退可能性、否定せず─トランプ氏』から。
〈第1次政権で脱退を検討したとされる北大西洋条約機構(NATO)に関し、残留するかを問われると「彼ら(欧州の同盟国)は自分たちの(軍事支出の)請求書を支払わなければならない。彼らが払うのなら、もちろん(残る)」と述べた。脱退の可能性を否定せず、欧州に軍事支出の増加を求めた格好だ〉