「光の屈折で水深を勘違いしやすいです。浅いと思っていた場所が、意外と深かったケースがよくみられます。『膝くらいまでなら大丈夫だろう』という考えは危険です」

水深が思ったより深いことも(提供:日本水難救済会)
水深が思ったより深いことも(提供:日本水難救済会)

浅いと思って遊んでいるうちに、流れに足をとられたり、急な深みにはまって溺れたりするケースが後を絶たないそうだ。

避けなければならない「離岸流」

さらに、海には避けなければならない状態がある。代表は「離岸流」という、海岸に打ち寄せた波が沖に戻ろうとする流れ。

流れの速度は最大で毎秒2mに達し、水難事故の原因としても目立つという。波打ち際で“周囲より白波が少ない場所”には、発生している可能性があるので注意してほしい。

離岸流の対処法(提供:日本水難救済会)
離岸流の対処法(提供:日本水難救済会)

「離岸流で流されたら落ち着くこと。流れに逆らうのではなく、海岸から見て横方向に泳ぎ、離岸流から抜けたうえで、岸に向かう流れに乗って戻るようにしましょう」

このほか、次の場所にも気をつけたい。

防波堤・ヘッドランド(人工岬):水深が急に深くなり、近くでは離岸流も発生しやすい

防波ブロック:落ちるとけがをするほか、自力で出ることが困難。救出も非常に難しい

川では「上流」と「草」に注目

次は「川」に行くなら。安全そうに見えても短時間で様子が変わり、水の量や勢いが午前と午後で一変するケースもあるそうだ 。

そこで調べたいのが、今いる川の上流の天気。スマホなどでこまめにチェックしてほしい。

「遊んでいる場所が晴れでも、上流域で大雨が降っていると危険です。水の色が濁り始めたり、上流から小枝や葉が流れてきたりしたら、川から避難するサインと考えてください」

草が生えていない場所は危険(提供:公益財団法人河川財団)
草が生えていない場所は危険(提供:公益財団法人河川財団)

併せて、周囲に草が生えているかどうかも確認しよう。草が生えていない=増水時に水が流れる場所なので、水流にのまれたり、孤立したりするリスクもあるという。 

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レジャーを楽しむなら避けたい3カ所

川でレジャーを楽しむなら、特に避けてほしいのは3カ所。屈曲部(カーブした場所)、合流部(複数の川が合流する場所)、河口付近だ。

屈曲部は水の流れや深さが変わりやすく、水深も深い。合流部は水流が複雑で流れも速く、波が発生しているところも。

そして河口付近は干潮・満潮の影響で、水流が複雑になりやすい。流れが非常に速く、海の沖合まで流されるリスクもあるそうだ。