解散した「TOKIO」のメンバーだった国分太一氏が26日午後2時から都内で会見し、「まず最初に、自らとった行動により傷付けてしまった当事者の方に、遅くなりました。また直接では無くこのような形になり大変恐縮ですが、心からお詫びの気持ちをお伝えさせてください」と謝罪した。

紺色のスーツに眼鏡姿で…

紺色のスーツに眼鏡姿で会見に臨んだ国分氏は、芸能活動休止前に比べてかなり痩せた様子で、緊張した面持ちで会見場に入り、ややかすれた声で謝罪の言葉を述べた。

国分氏は当事者への謝罪の後、「私が長年活動させて頂きました日本テレビ、鉄腕DASH制作関係者の皆様、30年続いている番組に突然の降板となり、多大なるご迷惑をお掛けしたことを、心よりお詫び申し上げます」

「さらには、スポンサーの皆様、他のテレビ局を含めメディア関係者の皆様には、事情をご説明出来ない形で判断を強いる事になり、またこれまでまともにお詫びを申し上げることも出来ませんでした。深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

さらに、「ファンの皆さん。自分の口で説明することに時間がかってしまい。ご心配をおかけし、本当に申し訳ございませんでした」と述べた。

日弁連に人権救済の申し立て

国分氏を巡っては2025年6月、日本テレビが「複数のコンプライアンス上問題ある行為」があった事を理由に、レギュラー出演中の『ザ!鉄腕!DASH!!』の降板を発表した。日本テレビは、コンプライアンス違反の内容については、プライバシー保護を理由に一切公表しなかった。

この発表を受けて、国分氏は「長年の活動において自分自身が置かれている立場への自覚不足、考えの甘さや慢心、行動の至らなさが全ての原因」「期限を決めずに全ての活動を休止し、自分を見つめ直させていただきます」とのコメントを事務所ホームページに発表。無期限で芸能活動を休止し、所属していたTOKIOはその5日後に解散を発表した。

一方、国分さんは、「コンプライアンス上の問題行為」を理由に自身を番組から降板させた日本テレビの対応をめぐり、10月23日、日本弁護士連合会に人権救済を申し立てている。

立場と環境にあぐら

国分氏は会見で、6月に「コンプライアンス上の問題行為」を理由に番組を降板した後の心境について、「きょうに至るまでの5ヶ月間、本当に申し訳ないという気持ちとともに、何よりも自分自身に対して情けなく悔しい思いで毎日過ごしていました」と振り返った。

そして、問題行為をした原因について、「このような事態に至った原因は、ひとえに自分自身におかれている状況や立場への自覚がたりなかったことにあると痛感するに至りました。
正直、長年の活動の中で、立場と環境にあぐらをかいていたのがあったと思います。自分の発言や立場が回りに与える重みを意識せず、走り続けてしまいました」と自己分析した。

「悔やんでも悔やみきれません」

その上で、「自らを客観的に見つめる事が出来ていませんでした。悔やんでも悔やみきれません」と後悔の言葉を口にした。

また涙をにじませながら、「6月に行われた突然の聞き取りからその場で伝えられた番組降板。その直後から起きた様々な出来事に私の心はついて行けませんでした。30年続いた鉄腕DASHからの突然の降板、自身の活動休止、TOKIOの解散、苦楽を共にしてきた3人で作った会社の廃業、TOKIO場の閉園。(涙)数日間の間で全てを失いました」と喪失感を語った。

さらに、「私のとったどの行動がコンプライアンスとされたのか、答え合わせも出来ないままに自分自身を取り巻く環境変化の早さに心がついて行かず、後悔・孤立・絶望とネガティブな感情に押しつぶされ、自らをコントロールするのが難しくなりました」と、苦しい胸の内を語った。

日本テレビと対立するつもりはない

一方、日本テレビに対しては、「私は当初から関係者の皆様に謝罪したい気持ちを持ち続けています。もちろんこれまで長年にわたりお世話になってきた日本テレビさんと対立するつもりもありません。私自身に常識が欠けていたことからきちんと認識をしていなかったものの、私の過去の行動が日本テレビからコンプライアンス違反に認定されている可能性もあるかと思います。そうした事柄もひっくるめて“答え合わせ”をさせて頂き、事実を知り、本件と関係者にきちんと向き合いたい」と要望を語った。

“TOKIOメンバー”への思い

ともにTOKIOのメンバーとして活動していた城島氏と松岡氏については、「今でも折に触れ声をかけてくれる城島・松岡の2人には感謝しかありません。彼らを誇りに思っています。グループとしての形はなくなっても、思いは繋がっていることに気が付きました」と語った。

さらに、家族についても、「妻とこどもにはただただ申し訳ない気持ちで一杯です。家族の日常を奪ってしまいました」と涙ながらに謝罪の言葉を述べた。

きのうも「メンバーに連絡」

また、「メンバーにはきのう会見をやりますと言うことをお伝えしました。この5ヶ月間、私から公の場で語ることがなかった。それでも鉄腕DASHは継続して、かなり複雑な思いで仕事をしていたと思います。その中で、メンバーには本当に申し訳ないと伝えましたが、メンバーからは今の思いをしっかり伝えてきてくださいという、温かい言葉を頂きました」と、2人に事前に連絡していたと明らかにした。

TOKIOはすでに解散しているが、国分氏は元メンバーの2人を「メンバー」と呼び続けた。

さらに、「2人とも連絡は取っていますが、時間があるときには会って、これからのこと、これまでのこと、色々と話す時間を作って貰っています。突然の解散となり、メンバー2人も余韻に浸ること無く各社への対応をしなければいけない状態でした、それでも対応しているときにお会いする人たちの言葉を一言一言私に伝えてくれています。本当に感謝しかありません」と話した。

長瀬氏・山口氏にも

さらに、途中でTOKIOを離れた長瀬智也氏と山口達也氏について聞かれると、「TOKIOは5人から始まりました。形は変わりましたが5人だからこそ見られた景色があり、2人は今、形を変えて活動を続けています、それでもTOKIOはTOKIOだと思い、そのTOKIOという名前に泥を塗ってしまった、それに関しては申し訳ない気持ちで一杯です」と話した。

2人とのやりとりについては、「私からは控えさせて頂きます」と述べるに留めた。

引退はせず

さらに今後については、「今はまだ私自身の今後の身の振り方については全く考えられません。関係の皆様への謝罪やご説明が出来ていない状況では考えてはいけないと思っています。私は自分の立場責任そして信頼の意味をかみしめしっかりと向き合っていかないといけないと思っています」と話した。

記者から「引退はよぎらなかったのか?」と問われると、国分氏は「もちろんよぎりました」と即答。

引退を踏みとどまった理由を聞かれると、「関係者や仲間やメンバーや、たくさんの方からご意見を頂きました、当初は引退も考えましたが、それだけではないアイデアをたくさんの方から頂いたので今は活動休止という形を取らせて頂いています」と説明した。

しかし、現在の心境としては、「今は正直考えられない状態です。順番的には対外的な説明とお詫びをできていない」「やはり答え合わせをし、どこまで話が出来るのかライン決めを日本テレビさんと協議していきたいと思います。その先に何か考えられる要素が出てくるかも知れませんが、今現在は何も考えられません」と述べるに留めた。

プライムオンライン編集部
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