日持ちが良く、長期保存が可能な乾物。昆布や乾燥わかめなど、さまざまな種類をストックしている家庭も多いだろう。
しかし、保存が利くというイメージから「ずっとストックしていても大丈夫なはず」と食べる機会を逃していないだろうか。実は、乾物にもおいしく食べられる目安が存在する。
乾物をおいしく食べるための保存法について、「日本かんぶつ協会」のシニアアドバイザーでかんぶつマエストロ講師の星名桂治さんに話を聞いた。
生の食品との違い
そもそも乾物とは、“食材の中にある水分を乾燥させて保存性を高めた食品”だ。
「その保存性の高さには、きちんと理由があります」と星名さん。食べ物に含まれる酵素や微生物の働きが関係しているという。
「生の食品は時間がたつにつれて、酸化や腐敗が進みます。理由は食品中に含まれる酵素や微生物の働きなどによるものです。ただ、食品中の水分が10%以下になるとほとんどの働きが停止します。
つまり、食品を干して水分を抜いた乾物は、酵素や微生物が働きません。これにより劣化や腐敗が進みにくく、保存性が高まっているといえるのです」
保存は基本的に常温
このような理由から、乾物の保存は「基本的に常温で大丈夫」となる。
「冷凍庫や冷蔵庫に入れる人もいますが、たくさんの乾物を入れようとすると、他の食材を入れるスペースもなくなってしまいますよね。乾物は元々保存性が高いので常温保存していただければと思います」
乾物にもある“賞味期限”
ただし、乾物には“賞味期限”がある。パッケージに記載されていることが多いが、基本的に「メーカーが加工し、袋詰めした日から1年」と決められているのだとか。
