熊本・玉名市にある地方独立行政法人・くまもと県北病院から患者の留守番電話に対し、人の氏名を揶揄するような音声が残されていたことが分かった。熊本県は「看過できない問題」として、病院を行政指導。病院側は患者家族に謝罪する方針だ。

「親は分かっていて付けたのかな」

実際の留守番電話の音声には「オオイマリちゃん?今言われて気付いた。今までピンと来なくて、“お~いマリちゃん”?『お~いお茶』じゃなくて、オオイマリちゃんのお母さん?お~いマリちゃん?声に出して言ったら、お~いマリちゃん?」と残っていた。

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これは11月18日午後に熊本・玉名市にある『くまもと県北病院』から患者の留守番電話に残された音声。患者の実際の氏名は『オオイマリ』ではなく、一部異なっているが、まるで人の氏名を揶揄するような、約2分間の音声が記録されていた。

さらに「親は分かっていて(名前を)付けたのかな。お~いマリちゃん」と音声が残っていた。

外部委託の電話交換手の音声と判明

くまもと県北病院によると、病院の職員が18日に療養費についての用件で、患者に電話をかけたところつながらず、留守番電話に。職員は電話交換手に内線をかけ、「患者に電話したもののつながらなかった旨」を伝えた。

その後、職員と電話交換手との「内線」は切れたものの、保留状態だった患者との「外線電話」が、操作ミスで病院の交換手に転送。それに気付かなかった「交換手の音声」が留守番電話に記録されたという。

電話交換手は病院が委託している業者の職員で、自身の発言が不適切であることを認め、現在は自宅待機となっている。

病院は患者家族に謝罪 熊本県は行政指導

くまもと県北病院は患者家族に謝罪をする方針で、「医療機関として求められる倫理や姿勢に反するものであり、重く受け止めている」などという文章をホームページに掲載している。

電話を受けた患者はTKUの取材に、「非常に強い憤りを感じている」とコメント。病院に対し、正式な手順を踏んだ謝罪を求めているとした上で、「同じように心を痛める患者さまが少しでも減ることを切に願っています」と話している。

一方、熊本県は「看過できない問題である」とし、調査・検証、再発防止策を講じるよう行政指導をしたという。

(テレビ熊本)

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