海水浴で注意したいのが「カツオノエボシ」との遭遇。刺されると感電したような痛みを伴うことから“電気クラゲ”ともいわれるほどだ。

絡みつかれたりしたらどうすればいいのか。海の危険生物に詳しい、東京海洋大学海洋資源環境学部の永井宏史さんに聞いた。行動によっては「“毒針”が飛び出す」ともいう。

(詳しい生態と予防対策はこちらの記事へ)

あまりの痛さで動けない!

この記事を書いた特集班スタッフは、カツオノエボシに刺された経験がある。

浅瀬でカツオノエボシに刺される(画像はイメージ)
浅瀬でカツオノエボシに刺される(画像はイメージ)
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中学生の頃、海水浴場で浅瀬の岩場に腰かけていると、右の太もも裏に激痛が走った。脚がもぎ取られたのかと錯覚するほどで、海から上がろうとしても動けない。

友達に太もも裏を確認してもらうと「黒い線」がくっきりとついていて、患部は真っ赤なミミズ腫れに。現在は消えているが、数年間にわたって跡形が残ってしまった。

触手には未発射の“毒針”がある

この状況を説明すると「触手が張り付いたと考えられます」と永井さん。カツオノエボシの触手に数えきれないほどある、「刺胞」(しほう)という“毒針”に刺されたと思われるそうだ。

触手は10mになることも(画像提供:新江ノ島水族館)
触手は10mになることも(画像提供:新江ノ島水族館)

触手は人間の肌に触れると何重にも絡まる。その際にたくさんの「刺胞」が刺すので、かなり危険なのだとか。もし、海中や浜で絡まれたらどう対処すればいいのか。