海や川で見落としがちなのが、訪れるタイミングによって状況が変わりやすいこと。
公益社団法人「日本水難救済会」の理事長・遠山純司さんは「同じ場所でも、天候や時間によって危険度が異なる」と話す。
そこで水難事故に遭わないためのノウハウ、避けたい危険な場所を教えてもらった。
海に“白波”が目立つなら泳がないで
まずは「海」に行くなら。最初にやっておきたいのは、注意報や警報が出ていないか、天気予報などでチェックすること。

「風や波が穏やかでも天候は急変します。沖に出ると帰れない恐れが高いので、注意報や警報が出ているなら、海に行かないのが鉄則です」
天候がOKなら、次に確かめたいのは風の方向。沖側に風が吹いている時、浮き輪などに乗って遊ぶとあっという間に流されるからだ。

目安として、海面に“白波”が目立つなら泳ぐのは危険だそう。「顔に波がかかり呼吸が難しくなります。波打ち際でも油断できません」と、遠山さんは語る。
風向きが分かりにくい場合は、海岸にあるフラッグのなびき方、煙突などから出る煙の動きも参考にするといいだろう。
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水温と意識不明になるまでの時間
また、水温の確認も欠かせない。冷たい海では体温が奪われやすく、流されたら“命を保てるかどうか”にも関わるそうだ。

「水温は最低でも26℃以上が望ましいです。逆に31℃以上の場合は、水中でも熱中症にかかるリスクが高くなります」
目安として「水温と意識不明に至るまでの時間」は次の通り。
10~15℃ 1~2時間で意識不明
15~20℃ 2~7時間で意識不明
20~25℃ 2~15時間で意識不明
海水浴場のウェブサイトで確認したり、水が冷たいと感じたりしたら岸に戻ろう。
そして、見た目の水深と実際の水深は違うことも頭の隅に入れておいてほしいという。