「多くの人が手のひらと甲を中心に洗っていると思います。しかし、調理をする前は、それだけでは不十分。手のひらと指のひら、指の背と手の甲、指の間と指の側面、親指、手首の裏・表・側面と、洗う箇所を細分化し、丁寧に洗うようにしましょう。石鹸を洗い流したあとは、アルコール消毒も忘れずに」

食環境衛生研究所のYouTubeからもポイントを紹介しよう。

○手のひら同士をこすり合わせるだけでなく、反対の指で手のひらを掻くように洗う。

手のひらを指先で洗う(食環境衛生研究所のYouTubeより)
手のひらを指先で洗う(食環境衛生研究所のYouTubeより)

○指は反対側の手で一本ずつくるむようにしてくるくるこすりながら洗っていく。

指はくるむようにしてくるくるこする(食環境衛生研究所のYouTubeより)
指はくるむようにしてくるくるこする(食環境衛生研究所のYouTubeより)

○水を切る時は、手を合わせて上下に振る「合掌水切り」をするとよく水が切れる。

なお食環境衛生研究所のYouTubeでは、2度洗いを推奨している。60秒間を1回より、10秒間を2回行ったほうが効果が高くなるそうだ。

手を洗うタイミングにも気を配る必要がある。特に生肉や生魚を扱う際は、小まめな手洗いが重要だという。

「生肉や生魚には、目に見えないさまざまな菌が付着しています。必ず生の食べ物を触った後は、手を入念に洗うようにしましょう。使い捨ての手袋をするのも一つの手段です。食材ごとに新しい手袋を装着することで、菌を他の食材に移すリスクは軽減されます」

食器や調理器具は「乾かす」

ここまでは、もともと付着している菌を落とす方法だ。高橋さんはこれに加えて「菌を増やさない対策も重要」と話す。